博麗幻天夢
□The wise man of the fantasy
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「!(零射の目つきが変わった…漸く反撃するつもりね)」
今まで回避にのみ専念していた零射が突然目つきを変えたところからして何か動きを見せようとしていたのは紫にも十分伝わる。
「(レーザー…体に巡る霊気を媒体にして一ヶ所へ集める。留めるなら撃ちやすい場所が良いな……だからやっぱり)」
「!(霊気が…指先に)」
「頼む!出てくれよ!!」
「零射!」
突然の霊気を感じ取った紫はレーザーを放ちながら零射の指先に視界を落とす。するとその右手は指銃の構えに変わると人差し指は翠色に光り輝いていた。
「いっけぇぇぇぇぇ!!」
刹那指先から放たれたのは一閃のビーム。紫のレーザーをハネ退け真横を過ぎていく。
「!!」
「くっ…外れた……でも…撃てた!」
「零射……たったの1日で」
「うふふ……やっぱり貴方才能あるわ……これだから人間って追い込みたくなるのよね!」
ビームが撃てるようになった零射を見てクスリと笑みを浮かべた紫は再び日傘を振るい今までにも増して大量のレーザーを零射に向けて連射し続けていく。
「くっ!これだけの密度じゃ流石に無理だ……なら!」
零射は横に跳んでレーザーを回避するが早いか再び指銃を構えビームを紫に飛ばす。
「さっきは不意を突かれたけどもう初見で見切ったわ。その程度の速さなら十分に見てかわせる…」
だが紫は零射のビームを余裕を残しながら回避していく。攻防が逆になったことで今度は零射が一方的にビームを撃ち続ける。
「チッ!当たらない……軌道とタイミングを完全に読まれてる!だけど退くワケには……だから今は!」
「零射!まだ霊気を操れるようになったばっかりなのにそんなに連射したら…!」
「…!!」
少しして零射の指先からはビームではなく撃ち止めを意味する煙が出ていた。つまりそれは零射の霊気が尽きたことになる。
「しまった!霊気がもう…!」
「どうやらお終いみたいかしら?」
「あと他に何か武器は…武器…!…鎌……これだけかっ!!」
追い込まれた零射は一番使いたくなかった武器の装飾鎌を手元に出すとそれを構えて今は何も仕掛けてこない紫に接近していく。
「!…能力は乖離だけの筈だけどその鎌はいったいどんな仕組みなんでしょうね?」
「何故能力を!」
「言ったでしょ?全部知ってるって……その鎌以外は」