博麗幻天夢
□The wise man of the fantasy
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「ま、待ってよ!いきなり過ぎよ紫!零射にはまだ…」
「まだ…何?」
「!」
「それって勝手に決め付けてない?」
「でも…零射にはまだ本格的な戦いだなんて…」
「…心配してくれてありがとう霊夢」
「零射…」
「でも大丈夫…やってみるよ。やらなきゃ真実を知れないなら俺は戦う……戦ってでも知りたいんだ」
「…分かったわ。じゃあ私からはもう何も言わない……頑張って」
霊夢はそう言うと内心まだ不安を積もらせながらもお賽銭箱の前まで下がる。そして零射は境内に立つ紫に静かに視界を合わせ構える。紫から静かに感じられる先程とは違う闘牙。それだけでも十分圧し潰されるような威圧感が零射の体中を軋ませる。
「やっぱり……まだ辛いな」
「じゃあやめとく?」
「ここまできて引き下がれませんよ……俺も男ですから」
「クスッ…良いわね。そういうの……私の知り合いでも1人居たわ」
「?」
「まぁそれも私に勝てたら教えてあげる。それじゃあ……始めましょ」
そう言うと同時に紫は傘を零射に向ける。そして先端を少し振るうとそこから4つの青い玉が出現するのが早いか加速していきレーザーのように零射へ飛んでいった。
「レーザー!?弾幕か!?」
まだ見たことのない弾幕に驚きながらも零射は横に跳んでレーザーを回避する。だが既に次の攻撃動作に入っていた紫は再び傘から青い玉を出現させそれを飛ばす。
「っ!やっぱり休ませてはもらえないよね……ぐっ!」
迫るレーザーを跳んで回避し続ける零射。中距離から近付けずかわすしか出来ないこの状況の中で紫は楽しむように笑みを浮かべながら追撃のレーザーを撃ち続ける。
「どうしたの?かわしてるだけじゃいくら経っても私に傷を付けることなんて出来ないわよ?」
「くっそぉ!(確かに紫さんの言う通りだ……このままじゃ俺が一方的に体力を消費していずれやられる……だけど今の俺に遠距離からの攻撃オプションはない……どうすれば…!)」
零射は突然紫の放つレーザーに視界を向け何か閃いた様子で霊夢の言葉を思い出す。
「(弾幕……こうなったら弾幕には弾幕で対抗するしかない!けどレーザーに俺の考えてたバラ撒き弾幕は意味がない……なら目には目を……レーザーには!!)」