博麗幻天夢
□Truth
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神社に戻り居間に着くと丸いテーブルの前まで歩きそこに零射と紫が座り込むと台所からお茶と羊羹をトレーに乗っけて霊夢が居間へと戻ってくる。テーブルにお茶と羊羹を置き全員が座ったところで紫はお茶を一口含んでから口を開いた。
「そうねぇ……まずどこから話せば良いかしら……とりあえず一番最初から話す形になるけど構わない?」
「大丈夫です。お願いします…」
「じゃあ話すわね……そして早速戸惑うかもしれないけど私は貴方を7年前から知っていた…」
「!?」
「えっ?7年前って…!」
「そう。貴方が10歳の時よ。故に初めて能力が発現した瞬間でもあるの」
「発現って……まだ10歳ですよ!?」
「発現した理由もちゃんと分かってるわよ……あの時貴方は子猫を抱いてた」
「!!」
子猫と聞いた瞬間零射は何か思い当たりがあったのか目を見開きながら紫を見つめる。
「どうやらまだ覚えていたみたいね」
「当然ですよ……親が亡くなったのと同じぐらい…悲しかったですから」
「…辛い過去を掘り返すようで悪いけどあの時大切にしていた野良猫が歩道の近くに居た貴方に気付き近寄って来たけど運悪く道路を横断した瞬間右折で走ってきた車に轢かれ目の前で死亡した……間違いないかしら?」
「っ…ハイ」
「そしてその後貴方は何を言ったか……覚えてるかしら?」
「………」
一一7年前一一
「ミケ!!そんな…そんなぁぁぁぁ!!」
「ケッ…急に飛び出してくるのが悪いんだよ……恨むなら自分の知能の低さを恨むんだね…」
「っ!!」
「あーあ……タイヤに血がべっちょりだぜ……早く帰って洗車しねぇとな」
「…てよ!」
「ん?」
「待てよ!!ミケを……生き物を殺しておいてなんだよその言い方!!?」
「あん?なんだよ糞餓鬼。その馬鹿猫の飼い主か?だったらしつけをしなかった自分に恨むんだな」
「テメェ!!」
涙目で怒鳴る幼き零射を見下すような酷い面で言葉を吐き出した大人はそのまま車に乗り込むと何事もなかったかのように車を走らせその場を後にする……その光景をしっかり目に焼き付けながら零射はミケを抱き抱えて悲痛の怒りを露わにした。
「死ねぇ!!死んじまえ!!どこかへ居なくなれ!!くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!……っ…うわぁぁあぁぁあぁぁぁ!!!」
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
「………」