野良猫幻想夢(上)

□もう1つの世界
8ページ/8ページ

聞かない名前に今度は青年が軽く頭を傾げ
そう言うとチルノは短く言葉を付け足して
霊夢の一番の特徴を短く答えた。

「巫女よ」

「巫女ってもしかして昨日の…」

青年は昨日の出来事を思い出していた……
あの時は特に何も思わなかったがチルノが
言うにあの巫女は現在まだ過程の段階だが
『この世界』についての何かしらの知識を
おそらく持っているということに…

「神社はあそこを真っ直ぐ行けば着くわよ……多分…」

「そうか……世話になったぜ…」

視界の悪い東側を指差して言うチルノに
青年は挨拶をして鎌倉を出て行く。再び
神社へ向かっていく青年の後ろ姿が霧で
見えなくなっていくとチルノは呟いた。

「忙しい奴ね……あ!名前聞くの忘れた」

…まぁそれも今更だと思ったチルノはまた
次にでも会えたら聞こう……と思い自分も
鎌倉から出て何処かへと飛び去って行った

そして湖を越えて道に出た青年は今までの
ことを軽く整理しながら歩いていた。

「この世界は俺にとっては違和感が有り過ぎる……追っ手も来ないし俺は本当に飛ばされたのか?信じられねぇ現実だが夢でもなさそうだし……まぁ今は確信が欲しい……あの神社に行けば何かが分かるってんなら行ってやるさ何処にだって…」

今は真実を求めて青年はチルノに言われた
通りに真っ直ぐと昨日降った雪が積もった
真っ白な道を歩いて行くのだった…



その名は幻想郷

主人公紹介
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ