野良猫幻想夢(上)

□能力の手立て
10ページ/10ページ






「ハァ…ハァ…」

たっぷりとお仕置きを受けた様子で
ベッドの上で深呼吸をするフラン。
露出した箇所からは沢山の汗が出ていた。

「これに懲りたらもう二度とこんな馬鹿な真似するなよ」

酸欠するフランの隣でベッドに腰掛ける
トレインは後頭部を掻きながらそう言う。

「ハァ……ハァ……イ」

「ところでぶっ倒れた俺をベッドに運んだのはお前か?」

「う……うん」

漸く落ち着いたみたいでベッドから
起き上がったフランは頷きながら
そう言うとそのままペコっと頭を下げた。

「ごめんなさい」

もう一度謝るフランを見てトレインは
相当お仕置きが効いたんだな……と思い
苦笑を抑えながら優しく返答した。

「もういいよ」

「……でも」

「なんだ?じゃあまだお仕置きが足りないってか?それなら次はお前が一番弱い部分を徹底的にくすぐ……」

「は、反省してるよ!だからもうやめて!苦しいのは嫌だよぉ!」

後退しながらまた謝っているフランを
見てトレインは苦笑しながら言った。

「もうやらねぇなら俺は怒らねぇよ……」

「!……もう二度とやらない」

「約束な!」

「うん!」

彼女に再び笑顔が戻るのと同時に
立ち上がるトレインに抱き付くフラン。

「さて……起きるか」

「今日修行は?」

「今日は休み」

そう言うと抱き付く彼女を抱えながら
扉を開けて2人は部屋を後にした。

その後咲夜達にもこの事を説明し
レミリアに文句を叩かれるもフランは
ちゃんと反省していた様子だった。

文にもその事を伝え彼女も文句を
言いながら明日の新聞のネタにすると
言っていた。きっとみんな怒るだろうな。






そして翌日になり場所は博麗神社。
縁側に腰掛け文が持ってきたのであろう
その新聞をピラッと開きながら音読した。

「『お騒がせ娘フラン!パチュリー氏に填められ7時間以上の無駄な捜索劇!』……イラッ」

「まぁ仕方ないな」

新聞をクシャッとしながらお怒りの様子の
霊夢の隣では魔理沙が苦笑しながら答える

「お陰で昨日は寝不足だったわよ」

「そりゃご苦労だったな」

「ってかアンタなんで一昨日来なかったのよ!?」

「私は一度寝たらなかなか起きない体質でな!」

一昨日の捜索劇に参加していない魔理沙は
元気が有り余った様子で自慢気にそう語る

「……ハァ」

そんな魔理沙にため息を吐く霊夢。

「それでそろそろお茶を!」

「帰れ」

このやり取りも……これで何回目だろうか



生き抜く修行

新たな始まり
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ