野良猫幻想夢(上)

□Sadness and wish
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あんな事をされて満身創痍にまで陥った
トレインは翌日になり案の定……

「うげー……気持ち悪ぃ」

ベッドの上から動けず貧血に悩まされる。

「うぅ……ごめんなさい」

「まぁ途中から覚悟してたけどよ」

「痛かった?」

「今更それ聞く?……痛てぇよ……上半身見てみろ」

そう言いながらグイッと首筋を見せる。
片側は1つしか噛み跡がない代わりに
傷が深いがもう片側は傷が浅い代わりに
沢山の噛み跡がある。他にも露出して
いない箇所にも噛み痕があるのは
昨日の出来事からして言うまでもない。

「おまけに寝不足だし……案の定今日も無理そうだな」

「ホントにごめ……」

「俺が勝手にやらせたんだからよお前は謝んなよ……満足したんだろ?」

「うん♪」

フランの肌は少し艶が出ていた。そして
満足顔で自分の口元を触りながら言った。

「トレインの血は凄く美味しい!」

「俺には鉛鉄みたいな味しかしないがな」

結局今日も修行は出来ず寝込むトレイン。
だがフランからは悩み事が消えたのか
また以前と同じ元気に戻る……
そこは少しホッとしたのでまぁ
結果オーライというワケで……

能力についても分かり修行も順調に
進んでいる。ペースも上がり
今のところは何も問題なく事は
進んでいる……だが物事は決して
全てが良いようには進まない……

唐R日後

マヨヒガでは2人の少女が何やら支度を
終えた様子で中心に立つ紫を見ていた。

「じゃあ行くわよ藍!橙!」

「ハイ紫様!」

「ハイ!」

元気に返事を返す2人。紫は左手に扇子、
右手に日傘を持ちそれを前に突き出すと
そこにスキマが出現し紫を先頭に
3人はスキマの中に入っていくと
そのままプツンと閉じスキマは消えた。

そしてここはスキマの中。浮きながら
着いていく藍は前を飛ぶ紫に質問した。

「しかし何故今回出向くんですか?」

いきなりの訪問という話しに疑問を
寄せる藍。それは橙も同じ考えだった。
その質問に対し紫は不敵な笑みを見せ
扇子を口元に開きながら答えた。

「最近霊夢や魔理沙達があの人間の為に色々としてあげてるみたいだから私も手助けしてあげようと思っただけよ」

「でしたら私が行きましたのに……わざわざ紫様自らが向かわれなくても」

「私も実際に見て確かめたいのよ……あの人間の実力をね」

紫の考えの全ては分からないが彼女の
言う言葉が全て本当ではない事を
藍は察していた。必ず裏がある……
そう抱くもこれ以上藍からは言葉が
発せられる事はなかった………



Belief

能力への鍵
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