野良猫幻想夢(中)

□鬼神の血
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己の血が強者の血を欲したばかりにその昔
群れを成した妖怪を殺してしまいました。
しかしその群れの中にその者の欲する血は
ありませんでした。その時男は言いました

血とは戦うまで自分の欲していたものかどうか分からない。だから戦って体に浴びなければ分からない。鬼とはそんな種族だと……本能に染まる獣と同然だ。それでも抗えずやめられないのが本能だ。頭蓋を割り脳の中枢に深く深く刻まれた本能が血を通じて体を動かす。そして強者だった血を浴びた時渇き切った魂が潤い初めて快感を得る……鬼とは鬼神で滑稽な生き物であり修羅の血を求め生きているのだ……だから殺さないと分からない。分からないから血を求め戦うのだ…と。闘争本能の赴くままに今日も血を求め貴様の血を貰い受ける。
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