野良猫幻想夢〜An additional story〜

□Episode1
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「貴様…小娘ごと私を破壊する気か!?」

「雨音を…助ける!!」

迷いを棄てた想介の突きは幻人に躱す隙を与えず雨音ごと幻人の胸部を貫く……だが体が砕けたのは後ろの幻人だけだった。

「ば…か…な…!?(こ、小娘の体をすり抜けて私にだけ攻撃を……思念体にそんな使い方が…)」

「………」

「おの…れ…」

その言葉を最期に幻人の体は崩壊を始めていき…五体はバラバラと化し空中に霧散して消えていく。無事雨音を救出することに成功した想介はホッと胸を撫で下ろすと雨音は嬉しそうにボソッと囁いた。

「助けるつもりが…助けられちゃったね。ありがとう…双神君」

「怪我とか…してないか?」

「うん。大丈夫だよ」

「良かった……じゃあ今手を抜くからちょっと待って…」

そう言ってすり抜けている腕を戻そうとすると良いタイミングか悪いタイミングか雨音の胸元を鷲掴みにしてしまう想介。これには思わず赤面して言葉を失う2人……その数秒後思いっきり殴られたのは言うまでもない。





翌日。いつも通り学校に登校する道中で想介は後ろから走ってくる雨音に呼び止められて歩む足を止めるのであった。

「双神君おはよう!」

「おはよう雨音」

「幻人の方はどう?」

「あぁ。1日慣らしたから少しは落ち着いたかな…」

「そっか。なら良かったよ……でね、今日は双神君に相談があるんだけど」

「相談?」

「相談というか…お願いかな。双神君…私と一緒に退治屋にならない?」

「え、えぇ!?」

雨音のいきなりの申し出に勿論驚く想介。昨日は無我夢中に戦ってしまったが今思い返せばなかなか怖い体験であったことは言うまでもなく想介は戸惑いを見せる。

「俺にまた戦えってか!?」

「『幻人をもう1つの身体として操る能力』を得たのにこのまま使わないなんて勿体無いよ。どうせなら私と一緒にこの世の為にその力を使おうよ!」

「い、嫌だよ!俺はやっぱり普通の学生なんだ!戦ったりするのはもう…!」

「あれ?良いの?私の胸触ったことクラスのみんなにバラしちゃっても…」

「いっ!?」

「一緒にがんばろ!双神君♪」

「…アハハ…ハハ…」

雨音の小悪魔な脅しから一転して満面な笑みに対し想介は断るに断れない状況に陥られ…ついには首を縦に振らざるを得ないことに。

こうして2人の退治屋はここに結成される。この先2人を待つものは果たして……2人の物語はまだ始まったばかりだ−−


...To Be Continued


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