野良猫幻想夢〜An additional story〜

□Episode1
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「俺…男だから……守られてばかりの人生はもう嫌なんだ。この先どんなに辛いことが待っていようとも突き進むって決めたんだ……不屈の心で…」

「…分かったよ」

「!」

「いつか…こうなるんじゃないかと思ってたんだ。やっぱりあの人の息子だね」

「おばさん…」

「その代わり…男が一度口に出した言葉……曲げるんじゃないよ?」

「…ハイ!!」

自分の熱意が伝わり許しを得た董耶は紗夜の家を飛び出す。すると待っていたのか絙が腕を組んで立っていた。

「許可は得たようだな」

「えぇ…まぁ…大分反対されましたけど…分かってくれました!」

「そうか。では改めて紹介出来るな……リーダーにお前を」

「厳しい人…ですか?」

「さぁな」

「さぁなって…」

「お前の感じ方次第だ」

そう言って案内されたのは1つの家。戸の前で絙がノックを数回して待つこと数十秒。戸が開き中から現れたのはダークブルーの短髪を靡かす青年。見た目からして年齢は25歳程度で、年齢層の高い警備隊のリーダーが思ったよりも若いことに董耶は驚いていた。

「!(この人が…警備隊のリーダー…?)」

「どうした絙?子供を連れて…」

「単刀直入に言う。コイツを警備隊に入れてやってくれ」

「!…この子を?」

「俺齋木 董耶って言います!警備隊に入れてください!」

「…歳は?」

「13歳です!」

「おいおい…こりゃまた随分若い奴の入隊希望だな」

「既に親御さんの許可は取っている。それに実力…いや戦いのセンスは俺が保証しよう」

「冗談は言わないお前の性格からして嘘じゃないのは分かるが…やはり13歳はな…」

「お願いします!俺…警備隊に入ってみんなを守りたいんです!もう守られてばかりの人生は嫌なんだ!俺だって男なんです!」

「熱意は人一倍さ」

「そのようだな…」

「様子を見る意味も込めて仮入隊という形で暫くは様子を見たらどうだ?」

「…そうだな」

「また仮ですか……でも良いですよ。絙さんの次は貴方を認めさせて正式に警備隊に入ってみせますよ」

「それは楽しみだな。っと…自己紹介がまだだったな。俺の名は樋渡。樋渡 庸介だ」

「宜しくお願いします樋渡さん!」

こうして董耶はまだ仮ではあるが警備隊の入隊を認められ、夢の一歩へと近付くのだった。

...To Be Continued


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