野良猫幻想夢〜An additional story〜
□野良猫放浪夢【前編】
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それからまぁ色々あったがなんとか小傘から振り落とされずに見事安全な場所まで辿り着き地面に足を付けながらトレインは胸に手を置き安心した様子でボソッと言った。
「な、なんとかまた生きて地面に足を付けることが出来たぜ」
「余計なことを言わなきゃもっとスムーズに着いたけどね…」
「ハイハイ。全部俺が悪かったですよ……それで此処は何処なんだ?また湖があるけどまさか最初の場所に戻ったなんて言わないよな?」
「そんなワケないでしょ?此処はまぁ確かにさっき見た湖と同じよ。但し方角が変わってこっちは東だけどね」
「東?」
「そう。広大に広がった湖の畔の此処は東部に位置しているワケ。ちなみに最初に居た場所は西部になるわよ」
「ふぅん……やっぱ空飛べる奴は羨ましいね全く。じゃあ今日はここで夜が明けるのを待った方が良いんだよな?」
「食べられたくないのならね」
「一々嫌みな言い方だなぁ…まぁ良いや。じゃあ一応感謝はしとくぜ!色々と迷惑をかけたな…」
そう言って近くの木に寄り掛かりながらトレインは寝る体勢に入って小傘に言った。
「俺は寝る。だからお前も好きなとこに行ってくれて構わないぜ…」
「えっ?ちょ…」
「じゃあお休み…」
「待っ!……寝るの早っ!……わちきはどうしようかな…」
翌日の朝。眩しい日差しにより目が覚めたトレインは眠そうに目を擦り起き上がると近くに見慣れた傘と下駄が置いてあった。次に辺りを見渡すと湖に足を浸し両手でスカートをたくしあげする小傘の姿が…
「あれ?お前まだ居たの?」
「居ちゃ悪い?わちきだって休みたかったんだから…」
「別に悪くはねぇけど…」
「ちょっと下駄と傘取ってくれない?」
「ハイハイ」
「それでお前はこれからどうするんだ?」
「わ、わちき?……えーと……アンタこそどうなのよ?」
「だから博麗神社を目指すんだよ。場所も分からねぇから辺りを見て回りながら行くけどな」
「そ、そぅ…」
「朝の妖怪の山はそんなに危なくはないんだよな?」
「夜よりかはね…」
「十分!じゃあ俺はそろそろ行くぜ」
「あっ!……ハァ…」
又しても先に妖怪の山へと消えるトレイン……その後ろ姿が視界から居なくなっても尚その方向を暫く見ていた小傘は何かを決心した様子で後に続くように歩み出した
。
It lasts to the second part……
野良猫放浪夢【後編】
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