野良猫幻想夢(上)

□紅蓮の紅魔館
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霊夢と別れたトレインは只行く宛てもなく
道を歩いていた。興味半分で自由気ままに
生きる猫……その野良猫が次に辿り着いた
場所。その名は『紅魔館』その大きく聳え
立った洋風の紅い館。そしてその館の前に
あった門の前にトレインは足を踏み入れた

「でっけぇ屋敷だなぁ…館か?まぁどっちでも良いけど紅一色かよ……昔黒一色だった俺が言えることじゃないが…」

その館を見て感想を呟いていたトレインは
門の前で居眠りをしていた女性に気付いて
視界をその少女へと向ける。

「………」

スヤスヤと寝息をたてて寝ていた少女は
雰囲気からして門番らしき女性であった。
全身緑色の中国服を身に纏い被っている
帽子の中心には『龍』と彫られていた。
赤い長髪の少女は未だに爆睡している。

「此処はチャイナか?巫女服に中国服に……ホント何でも有りの世界だな……つーか入っちゃ駄目的な雰囲気だなぁ……どーすっか…」

「ムニュムニュ…」

「ビクッ!」

「そんな咲夜さんったら…」

「………」

寝言で少し驚かされたトレインは少しだけ
考えてみることにした。その結果…

「突撃ラブハート決め込むか!」

興味本位から門をこっそりと乗り越え無断
侵入をすることにしたトレイン。余談だが
トレインは隠密などが大得意である。

そして紅い館の中へ侵入したトレインは
現在紅い廊下を真っ直ぐと歩いている。

「デケェなぁ……にしてもこの感じ…」

辺りから感じる威圧感を感じ取ったのか
トレインは頬から一筋汗を垂らしていた。

「なんかヤバいの居るぜ…」

トレインは現実世界での経験で悟っていた
……強大な力を持った何者かの気配…暫く
その廊下を歩き辺りを見渡すトレイン。

「とりあえず誰かに会ってこの館のこと聞いてみるか…ん?」

そう言うが早いかトレインの目の前に突然
1人のメイドが立ちふさがる。白銀の髪に
両方の揉み上げから先端に緑色のリボンを
付けた三つ編みを結っていて頭にもメイド
専用のホワイトブリムを着用。服装は青と
白を基調としたメイド服で少女の名はこの
紅魔館のメイド長こと十六夜 咲夜である。

「アナタは誰です?」

「こりゃ無断侵入失礼だぜ!俺は外の世界から来た人間だ」

「!?」

その言葉に少し驚いた顔をする咲夜に対し
トレインはマイペースに言葉を続けた。

「偶々この館を見つけたからちょっとお邪魔させてもらったんだが…」

「美鈴は何してたのよ…」
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