野良猫幻想夢(上)

□魔法と人形
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「あ〜気持ち良いなぁ!俺も外出しないでそろそろ1ヶ月経つからな。知らない内に真冬の寒さも終わって外も大分暖かくなってきたぜ。俺がこの世界に来て間もない頃はまだ雪降ってたからなぁ」

久し振りの外の風と太陽。やはり日の下に
出るのは気持ちが良い。そう思うと同時に
もう1つ浮かんだことがある。この太陽は
吸血鬼にとって弱点なのか…とトレインも
少しショックを受けていた。だが自分まで
気落ちしてもしょうがないと感じて表情を
明るくすると前向きに考えて今は咲夜から
任された仕事に集中することにした。

「さぁ俺が悄げても始まらねぇし今は咲夜からの仕事を全うしねぇとな」

気持ちを切り替えていくトレインだったが
ここで新たな問題にぶち当たることに……
それは紅魔館を発って数分後の出来事だ。

「…あれ?神社って何処だっけ?」

割と近くにある感覚で適当に歩けば神社に
辿り着けると思っていたトレインの誤算…
自由気ままな猫は早速道に迷っていた。

「そういえば俺紅魔館にも偶然辿り着いたっていうのに博麗神社の順路なんて最初から知らなかった!!」

どうしてそれを最初に思い出さなかった…
ツッコみたい内容は多々あっただろう。

「…引き返すもの有りだと思ったが此処は…何処なんだよ?」

適当に歩いて紅魔館の場所さえも見失って
完全に迷子と化すトレイン。木が邪魔して
紅魔館も全く見えずに歩く足を一旦止めて
うなだれるトレイン。何も考えずに行動を
実行すると必ず失敗していつか後悔すると
言うことが彼を見て良い例になっただろう

「まぁ適当に歩いて紅魔館に着いたんだ!また適当に歩いてれば神社に着くだろ!」

これが更に間違いだった。その気まぐれな
発想が事態を更に悪化させることに…






気ままに歩くこと数時間。博麗神社とは
また違うような場所に着くと目の前には
生い茂る森。あまりに木が密集し過ぎて
その先の道はまだ昼なのに薄暗い様子だ。

「なんだこの森?もしかしてこの森は神社の後ろにあった森か!?」

※違います

「今回も適当に歩いたら着いたな……全く俺の運の良さにはびっくりするぜ!何はともあれ良かった良かった!」

※全然違います

そして何も知らず馬鹿は博麗神社とは全然
違う『場所』に向けて歩いて行く…
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