野良猫幻想夢(上)

□能力の手立て
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【幻想郷】
湯n下室

一一一ブンッ

「見える!見えるぞ!」

一一一バコッ

ふざけて炸裂した一撃。綺麗に顔面に
パンチがヒットしたトレイン。

「ほぶっ!」

勢いのままに倒れる馬鹿。フランは
急いでトレインに駆け寄った。

「トレイン!?」

ぶっ飛び倒れたトレインを必死に
揺さぶるフラン……死ぬぞそいつ。

「大丈夫!?」

「ふざけてた」

「知ってるよ」

「何が見えるだよ……」

反省しながら殴られた頬を押さえて
起き上がるトレイン。彼の頬は殴られた
衝撃で痛そうに膨らんでいた。

「うー……」

「虫歯みたい」

「どうせ次の話しには治ってるよ……それよりも」

「?」

「これ以上……上達しねぇ」

「かわすスキル?」

「あれから結構日数が経つがイマイチしっくりこない」

「ん〜……」

「これが俺の限界……なのか?」

「トレイン……」

するとガチャッと重い扉の開く音が
2人に伝わり扉の方を向くとそこに
現れたのは腕を組む咲夜だった。

「珍しく随分と弱気な考えですね」

どうやら先程の会話を聞いていたみたいだ
……おそらく様子見で見ていたら
トレインのそんな調子を見るに見兼ねて
姿を現したのだろう……と思います。

「咲夜!どうしてここに!?」

「様子を見に来たんですよ……どうやら見に来て正解でしたね」

「どーゆー意味だ?」

「フラン様だけでは荷が重過ぎますから」

「別に私だけでも平気なのに!」

「私もお手伝いしますよ!」

「!……すまない」

「むぅ……」

修行に咲夜が加わった事に1人機嫌を
悪くするフラン。これがきっかけで………
その真相はもう少し先で分かる事になる。

「それであれから何か掴めましたか?」

「能力か?それがさっぱりだ!」

とりあえず2週間修行はしてみたが
能力に繋がるようなことは起きなかったと
トレインはそう言うと咲夜は続いて聞いた

「今は何の修行をしているんですか?」

「攻撃をかわす練習だ」

「つまり回避力向上の修行ですか?」

「戦いに一番必要なのは回避力だからな!1発でもどこかに被弾すれば全ての能力が低下する……」

「なる程……では私は」

そう言うと咲夜は自分のやる事が分かり
両手にナイフを構えて言った。

「攻撃すればいいんですね?」

「あぁ!遠距離系を回避するのはまだだったから助かるぜ」

「一応聞きますがナイフだけでいいのですか?」

「弾幕系はまだ無理だな………少なくとも接近戦と遠距離戦の2つを完全に回避出来なきゃあの弾幕を上手く避けきるのは無理そうだ……」

「1回私の弾幕回避したじゃん」

「あれは壁のお陰で回避出来たんだ………何もない場所であんなん撃ち込まれたら確実にお陀仏だ」

「分かりました。では始めますよ」

「あぁ!」

こうしてまた新しい修行が始まるのだった
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