野良猫幻想夢(上)

□能力への鍵
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4人を修行に加え早一週間が経過した。

文の『反射神経強化試練』

アリスの『多数回避強化試練』

魔理沙の『運動神経強化試練』

霊夢の『瞬間的瞬発力強化試練』

咲夜の『ブロッキング強化試練』

フランの『接近戦攻防強化試練』

その毎日のハード修行は着実と
トレインを成長させていった。
だがそれでも能力に関わるような
出来事はあれ以来まだ一度も起きていない

「今日はここまでですね……一度に防げるナイフの量が日を重ねるごとに多くなってきています」

「そろそろ速さ慣れしてきたみたいですね……次はもっと速くいきますよ!」

「少し追いついてきたなぁ……」

「人形の数も増えてきてる」

「瞬発力も昔より出てる」

「力も付いてるよ!」

この一週間の成果を咲夜、文、アリス、
魔理沙、霊夢、フランの順で答えていく。

「そりゃ一週間も続けりゃ上がるだろ!」

そう言って内心喜んでいる様子の
トレインに対し咲夜は言った。

「只……」

「ハイ……確かに実力は向上していますが『能力』についてはその1回以来まだ一度も発動してませんね」

「結構追い込んでるつもりだけどな」

「やっぱり『命の危機』に瀕しないとダメなのかしら?」

「じ、冗談だろ!?一歩間違えたら死ぬんだぜ!?」

「そうだよ!」

「何か発動の鍵とかはないんですか?」

文は少しでも情報を得る為にトレインへ
そう聞くと彼は覚えている事を言った。

「電気しか覚えてないんだよなぁ」

「じゃあ感電してみるか?」

魔理沙は意地悪な笑みを浮かべて
そう言うとトレインは真顔で答えた。

「死ぬだろ」

「発動の瞬間に思った事とかないの?」

霊夢はそう聞くもトレインの表情からは
心当たりなどなさそうな感じが
見て取れた。案の定返ってきた言葉は……

「あー……全く覚えてねぇ」

「馬鹿だぜ」

「なんか言った?」

「なんも」

「ふぅ……とりあえず今日はもう帰りましょう」

魔理沙とふざけ合っているトレインを
見てこれ以上の会話は無駄と考えた
霊夢は丁度時刻も夕方だったので
帰る事を伝えるとアリスが口を開いた。

「ねぇ……私から1つ提案があるんだけどいい?」

「?……あぁ!」

「明日は休みにしない?」

「「「!?」」」

アリスの提案に全員の視界は彼女に
向けられるとトレインは言った。

「何言ってんだよ!明……」

「休む事も修行の内って言うでしょ?……休む事でまた何か新しい事を見つける事が出来るかもしれないし」

「確かにそれもそうね」

「少し休憩を入れるのもいいわね」

「じゃあ明日は休みですね!了解しましたぁ!」

なんか勝手に話しが決まったみたいで
そう言うと文達は一足先に地下室を
出ていき帰っていった。あまりにも
早く話しがまとまってしまい
唖然していたトレインだったが
久し振りの休みという事もあって
段々彼の中でも考えが変わっていった。

「明日は休みか」

「たまにはいいじゃん!」

そう言いながらフランはいつものように
トレインへ抱き付く。咲夜は最近
焦って強くなろうとする彼に向けて言った

「急ぎ過ぎても良い事はありませんよ……ゆっくり焦らずです」

「そうだな……」

と言う事で明日の修行は休みになった。
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