野良猫幻想夢(中)
□帰ってきた鬼
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現実世界でクロノスが動き始めている頃
幻想郷ではバルドルとクランツを倒して
紅魔館に幽閉して以来何事もなく平和な
時間が戻っていた。そんな中紅魔館では
トレインのシャツを引っ張るフランが…
「…どうした?」
「お散歩は?」
「一昨日行ったじゃねぇか…」
「昨日行ってないもん」
「なら今日も行かなくてもいいじゃんか」
「えっ!?…どうして?」
「暑いからだよ」
「んゅ…トレイン冷たい…」
「いや冷たいって…」
「トレインとお散歩出来ないんじゃ私切なくて死んじゃうよ!」
「わ、分かった分かった!散歩に行けばいいんだな!?分かったからそんなにくっ付くなって!暑いって言ってるのに…」
「えへへ!トレイン温か〜い♪」
お構いなしでベタベタとくっ付くフランに
トレインは諦めた様子でフランの手を握り
外へと向かう。紅魔館でのパーティー以来
フランは更にべったり度が増した感がある
「♪」
「…んで今日は何処に行くんだよ?」
「今日は神社に行きたいな!」
「神社と言うとあそこか……了解」
外に出た2人は行き先を決め空を飛ばずに
博麗神社へと向かう……飛んで行った方が
絶対に早いのだがそれでは散歩ではないと
フランにあっさり断られわざわざ長い道を
歩かされる羽目に遭うトレインだった。
それから暫く歩き神社の石段を上り終えて
漸く博麗神社の境内に辿り着いた2人……
鳥居を越えて縁側が視界に入るとそこには
霊夢と知らない少女がお酒を飲んでいる。
「霊夢と…隣の子供は誰だ?それに角みたいなのも生えてるし…」
「初めて見るね…」
すると2人の視界に気付いた霊夢はお酒を
置いて手招きしながら呼び掛けた。
「トレインとフランじゃない。そんなとこで何してるの?こっち来なさいよ」
「昼間っからお酒か?」
「ホントは飲むつもりはなかったんだけどねぇ……萃香が帰ってきたから」
「?」
「そういえば2人は会うの初めてだったわね。このお酒を喇叭飲みしてる女は萃香。色々あって4ヶ月ぐらい前から地底に行ってたけど昨日帰ってきたみたいでね」
「地底?」
「地底には旧都とか地霊殿とかが…ってもっと知らないわよね」
「生憎地上育ちなもんで…」
「じゃあその話しはまた今度ということで……ほら萃香!アンタもいつまでも飲んでないで2人に挨拶しなさいよ!」