dedicated
□世界よ、
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「お前を殺したら、《運命》を変えられるのか?」
「っヒュ―…………」
嗚呼、
言葉を紡ぎたいのに掠れた空気しか咽は発してくれない…
意地悪だなぁ。
「《世界寵愛》であるお前が世界から消えれば、世界は変わるのか?」
「… …」
嗚呼、
今度は空気すら抜けなくなった。
「っ」
私は、私の首に掛かっている彼の手を思い切り握る。
「私だけ死ぬなんて許さない!
貴方も一緒に死ぬのよ!」
嗚呼、
やっと音が出た。
ガラガラで私の声とは違うように思えたけど、
彼に届いたのなら、何でもいいや、
「《貴方も一緒に死ぬのよ》か、
わかっているさ。
わかっているさ、そんなこと。」
―――お前のいない世界で生き続ける理由なんてないからな。
嗚呼、
よかった。
そこで私の意識も思考も、暗闇に堕ちた。
ーendー