『世界が終わる日、始まる日』
02
私の、精一杯の強がり
[ナミ+ゾロ]
「入ればいいじゃねぇか」
ゾロが声をかけた相手は、数分前から男部屋のドアに手をかけては放し、また手をかけては放し…を繰り返しているナミだ。
「うっ、うるさいわね。なによ、見てたの?悪趣味!」
「あ!?早く部屋に入って寝てぇのに、てめぇの不毛な動きを見守ってやってた俺に何言ってやがる!」
「やっぱり見てたんだ!最低!」
「はあああ!?」
…しばらくの怒鳴り合いの後、ナミは大きくため息をついて、男部屋から離れた。
女部屋に帰る、と言って。
「…いいのか?ルフィの様子見に来たんだろ?」
男部屋にはルフィがいる。
傷だらけの、ルフィが。
もう何時間も目を覚ましていない。
この船の船長が仲間に担がれて船に戻り、チョッパーの治療を受け、今この時まで、ルフィは眠り続けている。
「いいの。あたしが見に行ったところで、治るわけでも目を覚ますわけでもないしね」
そう強気に言い放ち、立ち去るナミから
「それに、今のあいつを見たら泣いちゃいそうだもの」
という心の声が、ゾロには聞こえた気がした。
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勇気のない私を許してください