□黒い封筒
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悪魔の声が聞こえるよ。
こっちへおいでと笑ってる。

おいでおいで

優しく手招きあ
まーい香り。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


朝、血まみれの夢で目覚めた。
荒れ果てた場所にただ一人生き残って真っ赤になった俺の姿、空は真っ暗で、あるのは赤と今にも泣きそうな灰色。
赤子の鳴き声と焼き付ける炎。

悪夢には慣れた。
最初から安眠なんて期待してはいない。



重い体をのそりと起こし冷たい水で顔を流す。
殺風景な部屋のデスクに腰を下ろしてまるで当たり前のようにまたペンを走らせる。悪夢にうなされて、起きれば暇潰しの仕事。

苦い珈琲。

これが己がまだ生きているんだと実感させる。
血に飢えた獣みたいに、苦痛に歪んだ顔が見たくて仕方がない毎日。
退屈な日々。

毎日同じ繰り返し。
ただ一つ違ったのは、
黒い封筒。


『は…はあ……はっ…ははっ…イイ色になってきたな…』

肌に走る肉をえぐる感覚に寒気がする。
喜びに喉が震える。



『所詮ここに堕ちればみんなガラクタ…憎むなら生まれた事を憎むといいよ…』


さよなら
バイバイ
GOODNight

死という幸福。






そしてまた黒くなる。
End

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