妄想伝

□現在進行形
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「孟徳・・・・・・今すぐ華陀ところに頭を診せに行こう?」

「やだぁー。あの医者すぐ人の頭を開きたがるからやだぁ〜」

「これ以上、変態な君主など堪えられるか!」

「・・・・・・別に殿の変態は今始まったものではないでしょう?将軍」

そんなギャアギャアと騒ぐ二人の間に、とある人物が割って入った。司馬懿である。朝っぱらからこの二人の主従漫才を一部始終を見せられている為、只今機嫌がすこぶる悪し。

「司馬懿!儂は変態じゃない!ただ色欲に正直なだけだ!」

「それを世間の人様は変態と云うんだよ?孟徳・・・?」

しかし、そんな曹操の様子を見て司馬懿は何か思い付いたらしく、ポン、と手を打った。

「ならば殿、それ程趙雲が欲しいというなら殿自らが捕えに行ってはどうですか?」

司馬懿の突然の言葉に夏侯惇はギョッとした。

「正気か?司馬懿!」

「大丈夫です。将軍。こんな事も有ろうかと私は趙雲捕縛のある策を用意しておりました」

「何ィ!?それは真か!?」

司馬懿の言葉に、曹操は豆電球を仕込んでいたかの様に目を光らせた。

「はい、ここに趙雲を捕える秘策を入れた三つの袋があります。それぞれ1、2、3の順で実行する段取りが決められています。しかし、この策は殿御自身が実行しなければ成り立ちませぬ」

「儂でなければだと?」

司馬懿の言葉に曹操は顔をしかめた。しかし、そうしなければ趙雲が手に入らないとなれば迷っている必要はない。

曹操は早速、司馬懿から貰った、秘策1の袋を開けた。するとそこには・・・・・・



『趙雲捕縛の攻略法その1・まず、殿が一人で蜀へ行く』



と、記されていた。野望の為、献策を即実行するのが曹操である。

「惇!これから儂は蜀へ行く!留守は任せた!」

「あぁ!?頭を冷やせ!孟徳!」
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