妄想伝

□現在進行形
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正直、女々しい事だが、馬超が居なければ自分はこの国に居る自信は皆無に等しいのではないかと趙雲は考えていた。

女装した際、劉備に見染められのはまぁ、あの時、星のめぐり会わせが悪かったと片付けよう。しかし、問題はその息子の劉禅であった。

事有るごとに常に何時襲おうかと、機会を窺っている。

確かに天下万民の為に劉備に支え続けるのは外せないだろうが、こう毎日処女を(違)狙われ続けるのは、精神衛生上悪い事この上ない。

しかし、民が平穏に暮らせる世にする為に、微力でも劉備を支える事が趙雲の生き甲斐である。そう云った意味で趙雲にとって、馬超の存在は劉備に次ぐかけがえの無いものと化していっていた。



・・・・・・何か馬超殿が欲しがりそうな物何てあっただろうか?絶影はもう、持ってるし曹操の首は馬超自身が上げたいものだろうから、逆に自分が曹操の首級を上げちゃ駄目だろうし・・・・・・


趙雲がそう考えていた刹那―――


「ん?あれは・・・・・・馬超殿と・・・・・・・・・Σ曹操!?」

遥か二里北の方角の光景に全身胆は度胆を抜かれた。

曹操は戦う様子を見せず、退却をしている。そんな曹操に馬超が追わない筈がない。

と、その時、趙雲はある事に気付いた。


曹操が蜀に来た。

馬超殿は勿論、討ち取ろうとする。

曹操は当然逃げる。

馬超殿、勿論追う。

曹操は当然、魏領へ逃げる。

馬超殿、魏領に乗り込んでまで、曹操を討ち取ろうとする。

馬超殿が居ない蜀。

私は劉禅様に犯られる。


「馬超殿ォオ!捨てないでぇえぇぇ!!!」

趙雲は顔面を蒼白させ馬超の後を追った。


 
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