恋愛ヴァージン

□間違えてます
1ページ/1ページ





「皆川珠子!一体どこへ行っていた!」


「…職員室ですが」



なんで先輩は怒っているんだろうか…。
たしかに部活の時間には少し遅れてしまっていたが、それも5分や6分くらいだ。



「先生にわからないところを聞いていたので…」



前回のテストの点が悲惨だったので私はけっこう熱心に勉強に取り組んでいたのだ。



「そんなの俺に聞けばいいだろう!」



…なんだこの俺様は。
先輩に聞いたんじゃわかるのもわからなくなってしまう。


でも…



「そういえば高遠って頭いいんだっけ。だったら高遠に聞こうかな」


「あれ、オレ指名?ありがとーございまーす」



高遠だったらちゃんと教えてくれそうだ。頭いいし。

ふと響先輩を見ると、わなわなとふるえていた。


「じゃあ珠子ちゃん。今度誰もいない教室で二人っきりで勉強しよっか」



高遠がそう言った瞬間、響先輩は勢いよく顔をあげた。



「ダメだ!こいつは嘘の答えを教えるぞ!
そんなんやめて俺のとこにこい!」



なぜかわからないが必死にそう言ってくる先輩。

高遠は思いっきり笑い、


「あ〜あ。部長にダメって言われちゃあな〜。
珠子ちゃん頑張って」



にこりと笑い、それから響先輩に不敵に笑うとパソコンのもとへ行ってしまった。



「…先輩?」



なんとなく気まずい空気になり、先輩に話しかける。



「…なんだ」


「勉強見てくれるんでしょう?」


「…!!おぅ!」



満面の笑みを浮かべた先輩のもとへ勉強道具を持ってきて、勉強する準備をした。

















…先輩式間違えてます


(先輩って…)

(うるさい!今は調子がでないだけだ!)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ