恋愛ヴァージン

□らっしゃるの
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「じゃあね珠子!」


「うん。じゃあね」



ホームルームも終わり、みんな帰っていく。私は部活があるから帰れないのだが。



「ばいばい珠子。部活頑張ってね」


「ありがとー。ばいばい」



時間を見ると4時過ぎ。早く行かないとまた先輩がうるさくなる。

そう思い、私はカバンを持って部室へと向かった。






「失礼しまーす」



静かにドアを開ける。
しかし部室には誰もいなかった。



「なんだ…。急いで来たのに」



ため息をつき、とりあえずソファに座ろうとする。



「うわっ!」



誰もいないと思っていたのに、ソファには響先輩が横になって寝ていた。



「…びっくりした」



響先輩は寝息をたてている。私の驚いた声でも起きなかったようだ。



「寝ていると静かだなぁ」



ソファの前に座って、寝ている先輩をまじまじと見る。

モデルをしているだけあって顔は綺麗だ。しゃべらなければホントに完璧なんじゃないかと思ってしまう。



「ん…」



じっと見ていたら先輩が目を覚ました。
急いで目を逸らす。



「やっと起きたんですか。ほら、部活を…って聞いてます?」



先輩は無言で私を見ている。寝ぼけているのだろうか。



「先輩?きゃっ!?」



突然響先輩の手が私の頭を押した。
私は先輩の胸に飛び込むかたちになる。



「離してください!」



じたばたしている私をよそに、先輩は私の頭を撫でる。



「…珠子」


「は、はい?」


「……」


「え?先輩?」



気づけば先輩はまた寝息をたてて寝ている。



「私は…どうすれば?」

















…なにしてらっしゃるの?


(高遠!?)

(お楽しみ中?邪魔してごめんねー)

(ちがっ!)

(ふわぁ〜。なんだ…うるさいな)

(あんたのせいだああぁ!!)

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