恋愛ヴァージン
□完了
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「う〜」
私の彼氏が隣でものすごく悩んでいる。
理由はきっと小説の内容なんだろう。
だって彼はパソコンの前でかれこれ1時間頭を抱えているのだから。
「龍之介くん少しは休んだら?」
心配になって声をかける。
「ううん。大丈夫だよ」
笑顔で応えてくれてはいるが、やっぱりお疲れなようだ。
「私になにか手伝えることない?」
じっとしているのも嫌なので、そう声をかけてみる。
私みたいな素人が手伝えることなんてないんだろうけど…。
龍之介くんも考えているようだ。
「無理にとは言わないけど」
「じゃあぎゅーってして?」
「へ?」
予想していなかった返事に驚く。アイデアとかを考えるつもりだったのに…。
「ぎゅーってすればいいの?」
「うん!珠子さんにそうしてもらえればおれも元気でるよ!」
目を輝かして言う龍之介くん。
なんかもう元気になっているような…。
「……だめ?」
「もう、しょうがないなぁ」
腕を広げて龍之介くんをぎゅーっとする。
「珠子さんあったかくて気持ちいい」
腕のなかで丸まる龍之介くんを見て、やっぱり愛しいと思うのだった。
補給完了!!
(元気になった?)
(うん!でももう少しこうしてたいな)