恋愛ヴァージン

□やっぱり
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「高遠ー。お風呂入っちゃってー」


「はーい」



ラブ部を引退して早4年。私は元ラブ部部員の高遠と同棲している。



「今日の晩ごはんなーにー」


「オムライスー」


「やったー」



家事にも慣れてきてけっこう順調に進んでいる。



「お風呂の準備できたよ。ほら、早く入んなきゃお湯が冷めちゃう」



じっと私を見ている高遠に言う。
そんなに見られても困るのだが…。



「どうしたの?」


「一緒に入ろうよ」


「……は!?」



なにか聞いちゃいけない言葉を聞いたような気がする…。



「……今なんと」


「だーかーら、一緒にお風呂入ろうって」


「無理!!」



なにくわぬ顔で高遠は言う。
いやたしかに私たちは付き合ってるけど!婚約までしてるけど!!



「恥ずかしがんないでさー。入ろうよー」


「いや、私のことは気にせず1人で入っておいで」



精一杯嫌だという気持ちを込めて笑顔で応える。



「珠子ちゃん冷たいー。オレ凍えちゃうよ?」


「高遠のポジティブ思考があれば大丈夫でしょ」


「そっか!珠子ちゃんツンデレだからなぁ〜。
素直に入りたいって言えないんだね!」


「本当にあんたの思考が凄いと思うわ」



嫌がる私をよそに、高遠はお風呂の準備を始める。
もちろん私の分まで。



「ほらほら早くー」



満面の笑みで私の手を引っ張る高遠をどうも拒めない私だった。

















やっぱりツンデレじゃん


(バスタオルとんないの?)

(お願いだからあっち向いてて…)

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