恋愛ヴァージン
□髪が
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「いい湯だねー珠子ちゃん」
「ホントにお願いだからあっち向いてて」
結局高遠とお風呂に入ることになった私だが、湯船に浸からないまま数分が経っている。
私はずっと全てを隠すようにイスの上で丸まっているのだ。
男は腰にタオル巻けばいいけどさ!こっちは長さが足りないの!
バスタオルを巻いたまま入るわけにはいかないし…。
「ほら早く入りなよ。お湯冷めちゃうよ?」
さっき私が言った言葉を高遠はにやにやしながら言ってくる。
「私だって入りたいよ!」
うぅ…。冷えてきた…。
「ホントに強情だねー。珠子ちゃんは」
言い終わると同時に高遠は立ち上がり、私の後ろにしゃがみこんだ。
「え?な、なに?」
「珠子ちゃんの髪でも洗ってあげようかなーって」
高遠はシャワーのお湯をだし、私の髪にかけた。 あー。あったかい。
「珠子ちゃんって髪きれいだよねー」
高遠がシャンプーで私の髪を洗い始める。
「高遠の髪はくるくるだね」
「いいでしょー」
「なにがー」
あの髪型が似合うのは高遠だけなんじゃないかと思ってしまう。
「流すよー」
またシャワーが私の髪にかかる。
「よし。じゃあ次はオレの髪洗ってよ」
甘えた口調で言う高遠に私はイスを譲ったのだった。
髪がうねうねしてる!!
(うわーおもしろーい!)
(ちょっ!泡が目にはいった!痛っ!)