恋愛ヴァージン
□自然と
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ラブ部に入って4ヶ月ほどが経ったが…。
私は未だに高遠圭介の考えを理解できずにいた。
「どうしたの高遠。またほっぺた赤いよ」
「あれ。やっぱわかっちゃう?も〜最悪なんだよね」
「どうせまた彼女たちとケンカしたんでしょ」
「ケンカっていうか、向こうが一方的にキレてるんだよね」
「その原因はあんただから」
また高遠は彼女にビンタされたらしい。
理由は聞かなくてもだいたいわかる。
「痛い思いしたくないなら最初から付き合わなければいいのに」
「そんなことしたらオレどっかで野垂れ死んじゃうよ」
研究に没頭すると周りのことが手につかなくなるって言ってたけど、私は高遠が研究をしているところを見たことがない。
「あ、珠子ちゃんがオレのめんどー見てくれるなら別れてもいいかな」
「なに言ってんの」
苦笑まじりに返答する。こんな世話の焼ける人の面倒なんて見たくない。
「……見てよ」
「ん?」
「面倒さ、見てくんない?」
「どうしたの。そんな真剣に」
「……やっぱなんでもないや。じょーだん」
へらっと笑った高遠だったけど、表情はどことなく悲しそうだった。
自然と彼の頭に手がのびた。
(……!!どうしたの?)
(さ、サンドイッチくらいなら作ってあげるよ)
(マジで?ツナ!ツナがいい!!)