恋愛ヴァージン

□覚めたら
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今は夜の8時。
お風呂も入り、夕飯も食べ終えた私は部屋のベッドでごろごろしていた。



「ふ〜」



今日の疲れがどっとでる。ほとんどラブ部のせいで疲れてるんだろうけど。

ラブ部じゃないか。高遠のせいだ。



〜♪〜♪



そんなことを考えていると携帯が鳴った。



「うわ」



ディスプレイを見ると高遠圭介の名が。



「なんで…?」



タイミングが良すぎて驚く。
それでもやっぱり彼氏からのメールなわけで。
嬉しくて自然と笑ってしまう。

メールをひらくと一文だけ打たれていた。



『今電話していい?』



なんの許可をとってるんだか。いつもなら不在着信が5、6件ははいっているというのに。

けれどメールを送られると声が聞きたくなるのは仕方なくて…。
なんて自分で言い訳しながら『いいよ』と返信をした。




メールを返信してからすぐに携帯が鳴った。



「もしもし」


『珠子ちゃん?』


「そうよ。どうしたの?」


『窓さ。開けてくんない?』


「は?」


『だーかーら。珠子ちゃんの部屋の窓!』



唐突すぎてよくわからない。
部屋の窓?なぜ。



『はやく〜』



悪い予感しかしない。
それでも私は言われたとうりに部屋の窓を開けた。



「こんばんわ」



開けた瞬間に携帯から、そして自分の目の前で声がした。



「はあぁぁ!?」



高遠は私の予想よりはるか上にいた。


私はてっきり家の前の道路にいると思ったのだ。
けれど高遠は私の部屋に1番近い木の枝に座っていたのだ。



「なんで!?」


「そりゃあ珠子ちゃんに会いたくなって」



へらっと笑う高遠。
そんな高遠を無視して私は窓を閉めようとした。



「ちょっと待って!彼氏がまだ外にいるよ!閉めないで!!」


「うるさい!私の彼氏は堂々と玄関から入ってくる!」


「いいじゃんたまには!」



やばい。これじゃあ近所迷惑だ。
高遠は精一杯腕を伸ばして窓を押さえている。



「ホントになにしに来たの」


「だから珠子ちゃんに会いたくなったんだって」


「今日学校で会ったでしょ」


「それはそれ。これはこれ」



これじゃあ駄々をこねる子どもだ。

器用に木の上でバランスをとっている高遠。一応2階分の高さはあるし落ちたら危ないだろう。



「いれてくれるの?」


「…落ちたら危ないでしょ」


「やっさしー」


「早く入んないと閉める」


「入る入る!」



枝からひょいっとジャンプして、見事に私の部屋に入った。
靴もいつのまにやら脱いでいる。



「お邪魔しまーす」



夜だというのに人を部屋にいれるとは思わなかった。



「不法侵入って知ってる?」


「オレ珠子ちゃんの彼氏だから不法じゃないもん」



もうなにを言っても無駄だ。



「いつ帰るの?」


「オレ来たばっかなんだけど。朝までいるつもりだよー」


「帰れ」



こんなとこを親に見られたら…。いや、お父さんはなにも言わないか。

私の周りにはまともな人はいないのか…。
そんなことに気づかされてため息をつく。



「トランプない?遊ぼうよ」



まるで自分の部屋のようにくつろぐ自分の彼氏に私はまたため息をつくのだった。

















目が覚めたら何故か彼氏の腕のなかにいて…


(あ、起きた?おはよー)

(!?)←驚いて言葉にならない

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