花びらが舞い戻るとき

□第七話
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「おはよう悦!」


「おはよう千鶴。」


「部活、どうするの?」


「あー…。」


―悦が転入して2週間がたった。


未だ部活を決めきれないでいた。


天つ風高校では部活に入っているのが好ましい。


強制ではないが、悦としてはどこかに入部していたかった。


―千のいる茶道部では。


「―結構な御手前でした。」


「…。」


「千ちゃん?」


「茶道部に入る必要、あるのかしら?」


「…。」


―バレー部では。


「いったよー!!!」


「はーい!」


アンダーでとれるボールを、


「だっ!!」


顔面で受け止めていた。


―バスケ部。


「もっと気を楽に…。」


ドリブルだけに必死になっていた。


―華道部。


「まぁ素敵!」


「どうも…。」


先生には褒められたが悦は気乗りしない様子。




「私、球技音痴なんだよねー…。」


「変わってるよなぁ。」


しみじみと平助が言う。


「やっぱり剣道部は!?」


ここぞとばかりに平助は訴える。


悦は渋い顔になった。


「うーん…。」


「体験だけでもしてみたらどうかな?」


控え目に千鶴が提案するので悦は渋々頷いた。


平助と千鶴は嬉しそうに笑った。





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