短編

□屋上にいる彼女
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俺はその時間授業をサボった






ちょうど英語の時間だし


眠いし暇だし






屋上で昼寝でもしようと思ってドアを開けた





ドアを開けるとそよ風が頬を掠める




天気は晴れていて絶好の昼寝日和









俺はいつもの場所に腰を下ろすと寝る体勢に入る










「〜〜〜……」






ん?


何か聞こえる…



女の声…みたいだけど









俺は気になっておろしていた腰をあげ声のする方へ歩いていく







近づいていくにつれだんだん声が聞き取りやすくなる



「君に触れたくて
でも触れたら壊れてしまいそうで

どうして…わかんないよ」








これは……、歌詞?





俺の耳には綺麗な歌声が聞こえてきた






バラードのようなメロディーで、綺麗だけどどこか悲しかった







その歌声に耳を傾けながら俺は1人の女の子を見つけた





ポニーテールにしている髪が風に靡いてとても綺麗だと思ってしまう自分がいた




俺は彼女の事が知りたくて思わず声をかけてしまった






「ねぇ」

「ぎゃわ!?」

「…なんて声出してんの?」

「いっいきなり声かけれたからじゃないですか!!」








俺が声をかけるとなんとも言えない叫び声をあげた



さっきまでの歌声とは打って変わって酷い声







「えっと…、あのいつからそこに?」

「今さっき」

「……聞いちゃいました?」

「うん」

「ギャアアアアアアっ!!!!」

「うっうるさ!?」

「お願いっ!!誰にも言わないで!!てか言うな、言ったら殺す!!!!警察つきだすよ!!」







彼女は大声で叫ぶと俺のところに駆け寄り肩を掴んでそう言った







「あんたホントにさっき歌ってた人と同一人物?二重人格ってやつ?」

「はい?私は正真正銘なまえ!!さっき歌ってたのも私本人!!」

「歌ってた時とは別人だね」

「ほっといて、それより誰にも言わないでよね!!わかった!?」

「それ、人に何か頼む態度?」

「うるさいっ!!」





彼女はなまえと言うらしい


なんて言うか…気の強い女の子だね






「さっき歌ってた曲、聞いたことないんだけどなんて曲?」

「え?…えっと〜あはは、まだ決めてない」

「決めてない?」

「私が考えたんだ…あの曲」






俺は驚き目を丸くした

自分で作ったって…

…なかなかやるじゃん








「あっ、もうこんな時間!じゃあ誰にも言わないでよね!!」

「えっ?ちょ…」







彼女は時計を見るなり屋上から姿を消した


「なまえって言ってたっけ」



なんか変なやつ


またここにくれば会えるかな?







俺はそんなことを考え、昼寝をするため腰をおろし瞳を閉じた
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