短編

□眠る君にキスのひとつを
1ページ/2ページ













「ねぇ…リョーマ〜」


「何?」


「お腹減った…」


「俺も減った、だから早く終わらして」


「もぅ無理だよ〜、わっかんなぁいー!!」


「…はぁ」









ただいま、リョーマ家でお勉強中…



幼なじみのなまえと一緒に



でも、ただの幼なじみじゃない



一応俺の彼女だし





「お腹減ったお腹減ったお腹減ったぁぁぁー」


「……」


「うわぁぁん、なんで今日に限って倫子さんと菜々子さんがいないのぉ!!」


「……」


「お腹へ…っていったぁぁぁ!!
何すんのよ!?」


「なまえうるさい、誰のために勉強会やってると思ってるの?」


「…うっ」


「赤点取ったとかで俺に泣きついてきたのどこの誰だったっけ?」


「はい、私です…すんません」


「わかったならさっさとやる」


「へ〜い」







なんでもこの前のテストで赤点取ってしまって、お母さんに雷を落とされたらしい





しかも今回赤点を取ったら一ヶ月おやつ禁止令






おやつが大好きななまえにとっては大問題




他人からすれば、バカらしいよね



ただのおやつ程度で








それで俺に泣きついてきたって訳だ





まぁ、俺も頭いいとは言えないけど…






それになまえは国語は結構得意



国語が苦手な俺にとってはとても助かる






だからお互いに教えあってる、まぁ俺の方が教えてるけどね







今もワークとにらめっこ中だし





ほんと見てて飽きないよね…







「う〜ん、お腹減って頭回んない…」


「…はぁ、わかった。
なんか下から持ってくるよ」


「やったぁぁ!!リョーマ大好き♪」


「はいはい、だからワーク進めときなよ」


「YES!ボス!!」







呆れた俺はスクッと立ち上がり、食べ物を探しに一階へ





そして冷蔵庫を開けて中を物色




「おっ、プリンあるじゃん」


「ほぁら〜」


「ん?どうした、カル」







俺の足元で鳴いた猫はカルピン






たぬき見たいな猫、しかも鳴き声も変わってる





大事な家族の一員







「俺、なまえと勉強中だからまた後で遊んでやるから」


「ほぁら〜」







俺はカルピンをひと撫でするとプリンとスプーンを持って二階の自室へ




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ