短編

□人影の正体
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「じゃあさ、今夜のお化けの正体突き止めようよ♪」












全ては英二先輩が言ったこの一言から始まった









「おぉ〜、夜の学校はやっぱり雰囲気あるにゃ〜」


「…フッフシュ〜」


「なんだぁ、マムシ
お前ひょっとして怖いのか?」


「んなわけねぇだろ!!」


「先輩たちうるさすぎ…」


「あはは…」








現在の時間は夜の7時




菊丸・桃城・海堂・越前・私の5人は夜の学校に忍び込んでいた






どうしてこんなことに…


とほほ…








――――――――――――…

今から2時間前






『なまえ、なまえ〜』






本日の部活が終わり帰ろうとしていたとき、手を振っている英二先輩に名前を呼ばれ振り返る







ちなみに私はなまえ


テニス部2年マネージャー








英二先輩の元にいくと、桃ちゃんと薫くんとリョーマくんもいた







『なんですか?英二先輩』


『ねぇなまえって、お化けがでるって噂聞いたことある?』


『それって、最近よく噂になっているやつですか?
誰もいない教室に人影がっていう…』


『そぅそぅ、それ♪』


『でもそれって本当なんですかね?』


『フシュ〜、見間違いとかじゃねぇのか』


『でも、うちのクラスの子も見たって言ってたよ』


『ふぅ〜ん、おもしろそうじゃん』


『じゃあさ、今夜お化けの正体突き止めようよ♪』








――――――――――――





そして今にいたる






「確か…、人影がでるっていう教室。
今は準備室になってたよねん」


「だったと思いますよ」


「薫くん顔色悪いよ?大丈夫…?」


「もっ、問題ねぇ!!」









英二先輩が持参した懐中電灯で廊下を照らしながらその準備室へ向かう










昼間は楽しい学校、でも夜になると一変して一気に怖くなる







足音がリアルに響く








「先輩は怖くないんスか?」


「え?」







隣を歩いていたリョーマ君に話しかけられ少し驚いた







普段あまり話しかけてこないから…



余計にね…









「…先輩?」


「あっ、えっと…お化けは信じてないから怖くないけど…
逆に夜の学校の方が怖いかな」


「へぇ〜、俺はてっきり怖いのかと思ってました」


「どうして?」


「だって、ほら」


「ん?」









リョーマ君が指差す方に目を向けると、私はリョーマ君のワイシャツの袖をギュッと掴んでいた








「えっ!?わっ、ごっごめん!
無意識で…その、あの…えっと」






自分がした行動に驚きわたわたと焦っていると







「……ぶっ」


「ほぇ?」


「クックッ…、先輩焦りすぎ…ははっ」


「わっ、笑わなくてもいいじゃんか!」


「ごめん……あははっ」


「だから笑うなぁ!!」








さっきからずっと笑っているリョーマ君に、私はぷうっと頬を膨らませフンとそっぽをむく







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