小さな夢

□ふざけんな、ばかじゃねーの
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ふと目を覚ますと枕元の携帯が無機質な着信音を発していた
開いてみれば新着メールが一通それは黒子からのものだった

「………HB…?」

なんだこれ鉛筆でも欲しいのか?
意図の掴めない文面に首を傾げるそうしているとまた誰かからメールが送られてくる

今度は赤司からだった
そこにもまた、HB、と書かれていた
その後も続々と黄瀬、緑間、紫原、桃井の順で同じものが何通も送られてきた

「こいつはもうなんかの嫌がらせだと思わねーか」

なあ、と電話の向こうの彼女に問い掛ける

『…それをなぜ今、この時間帯に私に教える』

時刻はすでに深夜0時を過ぎている

「そりゃあ現在進行形で起きたことだからに決まってんだろ?」

『私が寝ているとは考えなかったのか!?』

人のことも考えろ、と電話越しに彼女は怒鳴る

「うるせーな、何時だと思ってんだ。近所迷惑になんだろーが」

『その言葉そっくりそのままお前に返すよ!!』

「だからうるせーって。大体お前の都合なんてオレが知るかよ」

お前がオレの都合に合わせろよ、と俺様過ぎる発言を返す
もはや諦めたような、呆れたようなため息が聞こえた

「で、どーゆー意味だと思う?」

『そんなもん私が知るか。少しは自分で考えろよ』

「わかんねーからお前に聞いてんだろーが」

『じゃああれだ、ふざけんな、バカじゃねーの、の略だ』

問題解決。良かったな、と投げるように言葉を返す

「お前さ、確実にオレにケンカうってんだろ」

『お?わかったか?バカでもケンカくらいはわかんのか?』

「……お前マジ明日覚えてろよ」

『残念だな青峰。もう今日と言うんだよ』

声しか聞こえない相手の踏ん反り返る姿が目に浮かぶ
苛立たしさが限界まで募り額には青筋が浮かび始める

「ぜってー犯す!もう許さねーかんな!!」

『犯っ!?ちょ、待っ!青峰様すみませんでしたっ!!』

「だめだ。謝っても許さねー。立てなくなるまで帰さねー」

『ふざけんなっ!!マジ何様だ、テメー!ガングロくろすけが!!』

「ほー、まだオレに盾突くかよ。青峰様だよコノヤロー。
前言撤回だ、立てなくなっても帰さねー」

ヤメテ!!とまだ電話口で騒いでいる
止めてやるかよ、と心の中で呟くもう彼女の未来がどうなるかは決定事項だ

「じゃーな、オレの肉便器。学校楽しみにしとけよ」

通話を切ろうと耳から離しかける
ちょっと待て、と声が聞こえもう一度耳に押し当てる

『ハッピーバースデーだよ、青峰!』

「……は?なんのことだよ」

『だからっ!!HBの意味!!HAPPY BIRTHDAYの略だ』

今日、誕生日なんだろ?と彼女は言う

『皆に先越されたけど、私からも同じだよ』

誕生日おめでとう、と囁いた
それと同時に電話は切られ、ツーツーと機械音が鳴った

これだからアイツはやめらんねーんだ
ツンデレかよ、と誰にも聞こえないのに呟いた
仕方ないから立てなくなるまでで勘弁してやる

ああ、テツ達に礼を言っとかなきゃな
明日、学校に行ったらやること多すぎるぜ
























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