キス狂さんへ2
□最期から最初、そしてまた…
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「チャミッ!!!」
「ユチョン」
「ごめん…ッハ…遅刻しちゃった……」
「あぁ、そんなに息切らして…
また身体に障りますよ?
遅刻といったって、たった五分なのに」
「チャミ……俺たちにとっては、たった五分の短い時間でも惜しいハズでしょ…?」
「……そうですね…
ユチョン…手を繋ぎましょう?」
「ぅん」
久しぶりに逢うチャミ
逢わない時間が永ければ永いほど、
俺だけのお前じゃなくなっていくようだ
小さな画面に映るお前は…眩しくて…輝いていて……
ムネ ガ イタイ………
周りの目なんて気にしない
今日は
俺たちは俺たちだけの世界で過ごそうって約束したからね
ギュッ…
強く手を先に握ったのはお前
俺はその手を握り返すだけ
「ぁ…ユチョン、服を買いたいんですが。」
「うん、良いよ!!」
恋人同士、当たり前の様に手を繋いで街を歩く
ウィンドウ越しにお互いに似合いそうな服を選び合う
「ユチョン、これ似合いそうですね」
「そうかな?なんか、この色合いの服は持ってないから想像出来ないかも」
「そうですか?
僕は似合うと思うんですが」
俺に似合うと言ってくれたモスグリーンのシャツを見つめて何かを考えているお前
そんなお前が可愛くて見つめる俺
「そういえばさぁ、そのTシャツとマフラーって俺があげたやつだよね?」
「えぇ…大切なモノです。」
唯一、お前にプレゼント出来たモノ
それを今でも大切にしていてくれたのかなぁ…なんて思えば嬉しくて…
「大切な時には必ず着るようにしているんです」
「うん」
知ってたよ
俺が似合うと見立てた服をお前が何度も着てくれていたことを…
ほんと、お前ってば律儀なんだから…