キス狂さんへ2

□暗い部屋
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それからユチョンヒョンは僕のことを心配して出来るだけ隣にいてくれた






「チャンミン、今日はどうだった?」


「……多分また、です………」




あれから一週間


きっと気のせいだって思うようにしていた




なのに………




昨日は僕のベッドが綺麗に整えられていた


ジェジュンヒョンがやってくれたんだろうと訊ねても知らないと言われた
勿論、他のヒョンにだって聞いたけど返答は期待はずれなものばかり


それに……





「ベッド…………温かかったんです………」


「あったかぃ?」


「さっきまで誰かが……そこにいたみたいに………」




シーツに残る体温が一体何なのか、

誰のものなのかなんてもう考えられない




だって

その体温の持ち主はきっとすぐ傍で身を潜めてるんだ………








「チャンミン……顔色悪いょ…?」


「ぁ、大丈夫です……」




大丈夫なもんか……

気持ちが悪い………




「チャンミン…」


「ヒョン…また、心配かけてしまいすいません……」


「ね、今夜から一緒に寝よっか」


「は………?
一緒に…………?僕が…ユチョンヒョンと…………?」


「…………嫌…?」


「ゃ、嫌だなんてっ!!
嫌とかじゃなくって!さすがに申し訳ないというか………恥ずかしいというか……………そのぉ……」


「恥ずかしいの?なんでぇ?」


なんでって………


ユチョンヒョンってたまにこうやって可愛い顔して僕を困らせるんだ


そんなユチョンヒョンと一緒に寝るだなんて…
絶対に緊張してしまいます!!




「………ょし。
決定ね!!一緒に寝よぉーっ!!」


「ぅわっ?!」




グイッと強引に引き寄せられるがままに僕はユチョンヒョンのベッドへ潜り込む形となった




「狭い?寒くない?」


「ュ、ュユユチョンヒョンッ?!」


「ンハハッ!!チャンミン温かくて気持ちぃーっ♪」


「………………」




温かいなんてなんて言いながら僕を後ろから抱きしめる


しかも、僕の足の間にユチョンヒョンの右足が入り込んできて………

なんか………恥ずかしいを通り越して変な気分になってしまう



「ヒョ、ヒョンッ!!
僕はだ、だ、抱き枕じゃねーんですょッ!!!」



必死の抵抗を試みるものの




「抱き枕より気持ちぃね♪チャミナァ」




あぁあ……もう駄目です………
そんな言い方されたら何も言い返せやしませんょ

僕って本当にこの人に弱いんだから…






「ッ!!!」


「チャミナァ」


「ななななんですかァッ!?」




僕の足の間ではユチョンヒョンの細くて冷たい足がさっきよりも動き回る


擦り付けるように、そして……たまに僕の、その………敏感な部分にまで股が………

とにかく今すぐこの状態から解放してくれないときっと僕は大変な過ちを犯すに違いない!!






「チャミナにくっついてると安心する…ずっとさ、一緒にいてょ…」








あぁぁ・・・・・・僕はなんてバカ者か……


純粋なユチョンヒョンに一瞬でも不埒な感情を抱くだなんて……



あなたは淋しがりやだから…

そんなあなたが僕といることで安心だと言うのなら、僕はそれに従うだけなのも悪くはないかな





「ユチョンヒョン……?」





次に僕が声をかけたときには
既に気持ちが好さそうな寝息をたてはじめていた







「おやすみなさい、ユチョンヒョン…」
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