スキ狂さんへ2
□失して気付く、愛すべき貴方
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迂闊だった
貴方の性格を知っている僕なら
この後どうなるかなんて分からないわけがなかった
なのに………なのに………
「ねぇ……なんで俺のことそんな風にしか見てくんないの……?
チャミナにとって俺はそんなにもどうだって良い存在なの…?」
「はぁ?一体なんなんですか?
そんな風にってどんな風ですか?
ユチョンはユチョンです。僕にとってそれ以上でもそれ以下でもないでしょ?」
「なんで……俺のこと大切にするって…嘘吐いたの……?」
最近ユチョンがずっと何かを考え塞ぎこんでいたことは当たり前に分かっていた。
分かりやすいからね、貴方は。
だけど、今朝になって突然わけも分からずに僕を責め立ててきた
理由なんて分からない
一方的にユチョンからは『なんで?』
こればっかりが飛び出す
最初は僕だって何かあったのならと理由を聞き出そうとした
なのに、あいも変わらずこの様
正直、貴方のことを愛してはいるけれど、あまりにも考え方や感じ方の違う僕には貴方を理解しきれないでいることがある
それが煩わしいと感じてしまう事だってある
今がまさにその状態。
「貴方は何が言いたいんですか?
ユチョンの一方的に悲観論を振りかざすところ、正直理解が出来ないし好きにはなれません。」
「…………悲観、論……」
「違いますか?
そうやって悲観的になる癖、少しはどうにかなりませんか?」
「チャミナ…ァ…………」
「ハァ………」
一方的に責めてきたのはそっちなのに
僕から反論すれば泣き出す始末
もう、一体なんなんだ…
「お前はさ…俺がもし居なくなったら…その時初めて俺のことどれだけ大切だったかって気が付くんだよ…
失くさなきゃ…分かんないんだよ…」
「はいはい…そうなのかもしれませんね!
ユチョンが居なくなればどれだけ大切だったかって思い知らされるんでしょうね!!ほんと、さっきから何が言いたいんだ、アンタはっ!!」
「あの時言ってくれた事……嘘にしないでょ……」
「嘘って何なんですかッ!?」
「バイバイ、チャミナァ」
結局、僕に答えを教えないままにユチョンは部屋へと消えていった