Mainstory
□再び猫の国へ
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前回と同じようにムタさんは道なき道をどんどん走っていく。
相変わらず無口だけど私が付いて来てるか確認する為チラッと私を時折見てくれる。
(やっぱりムタさんはいい人なんだ。)
そう思うと自然と笑みがこぼれて来る。
どの位走っただろうか。
突然ムタさんが立ち止まり、二足歩行になってアーチをくぐった。
私もアーチをくぐると眼前に猫の事務所が飛び込んで来る。
(逢えなくて苦しい日々が続き、一時は忘れようとしたけど忘れる事が出来なかったあの人に、バロンに、ようやく逢える。
今度こそ…私の本当の思いを…伝えなきゃ!)
覚悟を決め、事務所の扉を開ける。
すると…
私の体は光に包まれ、前のめりに倒れ始める。
恐る恐る目を開けてみると誰かに抱き抱えられていた。
「ハル、お帰り。」
これがバロンとの3日ぶりの再開だった。