Shortstory
□Sweettime
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ある日の昼下がりバロンはいつものようにデスクワークをしていたが、ハルが来る前に全部終わらしてしまった。
バロンが伸びをしているとムタがやって来た。
『珍しいなバロン。ハルが来る前に仕事が終わってるなんて。
何か特別な事でもあるのか?』
(相変わらず鋭いなムタは……。今日俺がハルにプロポーズするのを知っているのか?)
『いや、何でもない。今日はいつもに比べて量が少なかっただけさ。
それから私は今から出掛けるから留守番を頼むよ。もしハルが来たら事務所で待っているように伝えておいてくれ。』
そう言うとバロンは街に出掛けていった。
ちょうど入れ代わるようにしてハルがやって来た。
『ただいま。あっムタさん。今日はチョコレートケーキ買って来たよ。
そういえばバロンは今日も仕事で忙しいの?』
『いやバロンならさっき出掛けたぜ。』
『ふーん何だか忙しいみたいだね。邪魔しちゃ悪いし私、帰るね。』
そう言ってムタにケーキを渡し、帰ろうとすると、
『今日はハルが主役なんだから帰らないでくれ。君がいなきゃ駄目なんだよ』。
トトがいつの間にか帰って来ていた。
(私が主役?どういう事?)
ムタもようやく気づき
『あぁそういえばバロンが事務所の中で待ってろだとよ。』
『うん。分かった。』
そう言って事務所の中へ入っていった。