短編
□※Desert
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※アニメ口調
目が覚めた瞬間、いつものベッドの上の天井とは景色が違うなって思った。
そこは薄暗くて、寒くて、あれ?そうだ。私まず寝るきに着てたジャージじゃないな。私が着てたのは、紅い絹みたいな生地の薄いドレス。下着はつけてるかどうか分かんないけど……つけていなさそうな感じ。
あんまり深いことは分からないけど、これはやばいと思った。
だって私―――
「縛られてる」
私の腕は暗い部屋の天蓋付きベッドに上で縛り付けられていた。
身を捩れども腕が痛くなるばかりで為す術がない。
「起きたのか」
冷静になろう。とにかく冷静になろうと脳をフルパワー活用したら、何者かが部屋に入ってきた。
「誰?」
そいつはくすくす笑って近くによった。
中東系の顔立ち。……私この人見たことある。
そうだ、この人……
FFIカタール代表…ビヨン・カイル。
「カタール代表が私に何のようですか?」
「俺のことを知っているのか。なら話は早い」
ビヨン・カイルは私の頬を優しく撫でた。
怖い。薄暗い部屋が妙に怖くて、そして寒い。何かが私の身を抉った。
「何…するの?」
彼はくすりと妖しく笑うと、軽い身のこなしで馬乗りになった。
「………!」
彼は舌なめずりする。
暗い部屋の中、目だけがギラギラ輝いていて、その目はまさしく捕食者のそれだった。
「うっ」
彼は私の首筋に頭を埋め、首筋に噛み付いた。
そしてそのまま私の耳元に唇を寄せ、こう囁いた。
「よくお聞き。君は売られたんだ、なまえ」
Desert
(彼はオアシスを求め未だ買春を行う)
11/03/27