短編

□風と舞う
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※こいつ等の設定についてはここ


 色とりどりの花が咲き乱れる花畑。

 クリスとシルフィールはその中に寝転がっていた。

 「ねぇ、せっかくのピクニックなのに、寝転がってるだけで何にもしてない」

 シルフィールはクリスに言う。クリスは苦笑しながらそれに答えた。

 「だって、こんな花しかない場所で一体何するってんだよ。ここに来たいって言ったのは君だろ、シルフ」

 「それはそうだけどさぁ……」

 むー、と不満そうに頬を膨らませるシルフィールを見て、クリスは仕方ないなぁ、と言いながら笑い起き上がるとシルフィールに背を向け近くの花に手を伸ばし何本かを摘んだ。

 「クリス、何してんの?」

 急に背を向け何かを始めたクリスの背中に、シルフィールは問い掛けた。

 「ちょっと待ってなよ」

 それだけ言ってクリスは何をしているのかシルフィールに教えてはくれない。クリスは何かをしているときその作業を邪魔されたり横から覗き込まれる事を嫌う。シルフィールはつまらない、とまた起こした身体を花の中に戻した。

 ――くすくすっ……。

 楽しそうな、機嫌の良さそうな風の精霊たちの声。風詠であるシルフィールの耳に、それが届く。

 さわさわと流れる風が心地好い、シルフィールはだんだんと眠くなってきて瞼を閉じた。

 瞼越しに感じられていた光の遮られる感覚に、シルフィールはそっと目を開けた。
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