捧物
□you&I…?
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妖「ふぅ…」
台風が去り、空には果てない青が広がっている
雲の隙間から刺し込む太陽の光
濡れていたアスファルトはその身を乾かしている
風が静かに走ると緑の匂いが鼻孔を擽る
つまり…
平和な一日の始まりなのだ
大した刺激も無い何気無い一日
それを暇だ〜なんて馬鹿にするような事を私はしない
そんな大きな刺激なんて来た日にはどうすればいいかわからなくなるし…
とりあえず…
なんだかんだで今日も私は悪意に満ちた平和を笑いながら過ごす
私は進学か就職かで悩むどこにでもいる女子高校生
絵を描くのが好きだから美術部に所属、ネットで作ったHPでは小説も書いている
友達もそれなりにいる、男女共に
彼氏も出来た事だって何回かある、今はいないけど…
つまり…本当にどこにでもいる女子高校生って感じ。
主流から外れず、皆が見るTVを見て、皆が聴く音楽を聴いて…
一般大衆のそれとなっている
絶えず笑顔で…人に嫌われないように
仲間外れなんて真っ平だし、愛想を振り撒く
言い方は悪いけどきっと皆そうしている
つまり…
私は一般大衆の中の存在
でもそれは個としては存在しない
個を主張したら…
一般大衆と言うのは異端者を見付けるとそれを容赦なく叩く
私はそんな一般大衆を演じている
でもそれは…