捧物
□月と星が交わる時
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夜空を見渡すといくつもの煌めく星達
あの煌めきは俺の想い
あの煌めきは君の想い
夜にしか咲かない灯り
禁じられた灯りを持つ星達を道連れに僕らは…
間違いなのだろうか?
人を想う事、誰かを想う事、君を想う事
誰かが言った
「お前らは間違えている」
本当に…?
この純粋な想い
きっと世界中の誰よりも純粋な物だと思う
それを何故人は間違いだと言うのか
俺らの関係を否定するのか…
―チャプ…―
大きな湖に透き通る程に白い足を入れる彼女
女「あっ!?凄い冷たいよ…夏だからもう少しあったかいと思ってたけど…」
白のブラウスを身に纏い月光を乱反射させ
その柔らかな肩を上下させている
女「ねぇ…」
そんな彼女に見とれていた俺に不意に声をかける
聡「なんだ?月子」
月子「やっと…解放されるね?」
聡「あぁ…そうだな」
湖の周りは木々に囲まれている
風がなびく音と虫達のささやかな合唱会
心地良いことこの上なかった
俺達の未来はここで幕を降ろす
人々が言う禁じられた想いを胸に秘めて…