捧物

□月と星が交わる時
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小さな頃から俺と月子は仲が良かった


何をするのも一緒で


学校へ行くとき、遊びに行くとき、たまに寝る時も


俺は彼女を愛していた


また彼女も俺を愛してくれた


俺らの両親が高校の時に事故で亡くして二人はそれぞれ親戚の家に預けられた


お互い遠い街に引越す事になったがそれでも俺達は度々逢っていた


俺を引き取ってくれた山野家の人達は本当に良くしてくれた


大学まで行かせてくれた、本当の息子のように愛してくれた


……俺と月子の事も黙って見ていてくれた


彼女を引き取ってくれた神谷家の人達は…彼女を使用人かの如く扱っていた


月子の白い綺麗な手はいつも絆創膏が貼られ荒れていた


それでも彼女は幸せそうに笑う


月子「貴方に逢えるならどんな苦痛も苦痛じゃないよ?」


そう言って俺の頭を撫でる


……俺の方が年上なのにいつも俺があやされていた


でもそんなやりとりが俺には幸せでしかない


そう…幸せだったんだ
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