捧物

□月と星が交わる時
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神谷家の人達は彼女を引き渡してくれなかった


男「君は自分の立場がわかっているのか!?」


女「月子を引き取っても貴方にはどうしようもないのよ!!」


なんとも理不尽な話だが俺と月子が一緒に暮らす夢は絶たれた


そればかりかもう二度と彼女と逢う事を禁じられた


そして俺達はある決意をした


結ばれないのなら…いっそ…


一日だけ、これを最後に彼女と逢わない事を約束に今日一日だけ逢う事を許され


今俺達はこの名も無い湖の前に居た


空には星と月が大きく輝いていた


月子「綺麗な月…」


聡「あぁ…これほど満月が綺麗だと思った事はないよ」


大きく…果てしない程大きな満月


それを取り巻くように散りばめられたいくつもの星


彼等の光りは妖しく交わり月明かりを一層儚くしていた


月子「やっと…ひとつになれるね?」


聡「あぁ…やっと…」


浅瀬に腰かけ俺達は空を見上げながら湖の水を手に絡めていた


下半身はもうびしょ濡れだったがそんなことはもはやどうでもいい
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