捧物
□秋の季節
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―数日後―
俺はいつも煙草を吸う公園にいる
これはいつもの日課だ
俺が唯一煙草を吸える場所…それと同時に毒を吐ける場所
それなのに…今は…
秋谷「なんなんだよ…ったく」
悪態をつく
秋「あ!この間の不良中学生じゃん♪」
あ…
秋谷「来た…」
秋「え…?」
秋谷「あ…いや、なんでもないです…」
なにキョドってんだよ俺は…
秋「いつもここにいるの?」
秋谷「え、えぇ…まぁ」
秋「ふぅん…あ、ねぇ煙草頂戴?」
秋谷「どうぞ…」
数日前のようにポケットから取り出し彼女に差し出す
彼女は1つ礼を述べて煙草を吸う
その姿に不覚にも見とれてしまった…
秋谷「大学生なんですか?」
秋「うん、今二年生」
そう…と抜けた返事をする
秋「そういえば君の名前聞いてないなぁ」
秋谷「あ、天河秋谷です…中3…」
秋「あきや?へぇ、私と同じ季節の名前入ってるんだね」
これがきっかけだったのかどうかはわからないが俺達は毎日のようにこの場所で煙草を吸っていた
彼女は果てしない程自由な女性だった
そしていつも笑顔を絶やさない
俺にはそれがどこか嘘のように感じていた
彼女は大人だ、俺と違い社会と言うものを知っている
俺にはそれがとても羨ましく思った
そして…