あいのうた

□SOMEONE KILLS ME
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殺さないで。
まだ生きてたい。

諦めずに生きてたら、
きっと何かが変わるから。


















SOMEONE KILLS ME




















君を見たあの日から
奪われてしまったんだよね

全てが「君次第」になってしまったんだよね





君の向かう方に行きたい。

君の視線の先に居たい。




ふわりふわり。






そして僕は翻弄される。

また、翻弄される。







君の何気ない言葉だとか
仕草だとか。

いとも簡単に僕を昇天させ、時には地獄に突き落とす。












「……全く、困ったもんだよ。君にはさ。」












地獄に突き落とされたとき僕は、

夕焼けがこんなに切なく見えるんだと、

こんなに胸が苦しくなるんだと、


そういうものに気づかされ、そして再び胸の奥で流血する。





ドクドク。



何度瀕死状態になったかわかんないや。






昇天したときなんかは、そんな傷はくそくらえで。
あっと言う間に癒えてしまう。













でも、もう僕は地獄に突き落とされるのみ。



何でかって?








―――あの子にはもう相手がいたのさ。
僕以外のね。













君は、犯罪者だ。


こんなにも僕を傷つけて。

何食わぬ顔で僕の元から去って行くのかい?

この悲鳴を聞いてくれやしないのかい?




そう、犯罪者だよ。



残酷なまでに美しい犯罪者。







そして愚かな僕。




だって、そんな君を憎むなんて出来ないのだから。












そう、愛してた。

憎らしいほどにね。愛してたよ。














未来永劫、この恋が叶わないのであれば。

僕はこの想い―――「恋心」を殺してしまおう。


自ら切り捨ててしまおう。




そうすれば、もう苦しまなくていい。












「待って、殺さないで。
まだ生きてたい。

諦めずに生きてたら、きっと何かが変わるから。」






今まさに、切り捨てられようとしてる僕の「恋心」が僕に語りかける。





もう変わらないよ。何も。


諦めないで、なんて馬鹿馬鹿しい。



何か変わるかも、なんて滑稽だ。






もう、限界なんだ。















「DON'T KILL ME...」





心の奥で、何かが悲鳴をあげ、そして僕は泣き叫びたくなった。







END

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