あいのうた
□此処はギリシャ、サントリーニ。
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此処はギリシャ、
サントリーニ。
此処はギリシャ、サントリーニ。
私はこの場所を、「白の街」と名付けよう。
――綺麗なところだね。
そう、
地球にこんなところがあったんだって
胸がドキドキして
思わず恋してしまいそうになるの。
此処はギリシャ、サントリーニ。
彼はこの場所を、「碧の街」と名付けた。
「青」じゃなくて「碧」なんだ、って彼が笑った。
この街には伝説があるんだって。
“カストロの丘からエーゲ海に沈む夕日を見ると、
二人の愛は永遠のものとなる。”
だからカストロの丘はいつだって恋人達で溢れてる。
永遠の愛を求める恋人達で。
実話かどうかなんてわからない。
永遠なんてうそっぱちだ。
そんなヒネた考えでさえも、今は戯言のようで。
エーゲの「碧」はそれほどまでにも私達を素直にさせる。
生まれたままの姿にさせる。
ずるいくらい純粋で、
泣きそうなくらい美しい「碧」だった。
――――私達も、行こうか。
此処はギリシャ、サントリーニ。
私達はこの場所を、永遠に忘れないだろう。
END