ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ
□ダイススロー 2回目
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全員でボードゲームを囲む。
ドクロの形をしたコマが、早くダイスを振れと言うかのような形相で青いマスに鎮座していた。
「誰がやるの?」
逢夏がその場にいる者の顔を見回しながら言った。
「さっきお前らが来た時は俺がダイスを転がしちまったから…」
「オレがやる!
悪魔が作ったボードゲーム?どんと来い!
オレにはいつだって幸運の女神がついてるんだってことを証明してやるぜ」
ダンテが挙手して、自信満々に胸を叩く。
「えー、ホントかなあ…」
「こっちの世界のダンテの不運ぶりを見ていた限りだと、そうは思えないよね」
「あのおっさんと同一人物なら確かに。
…天使ならついてるけどな」
ネロがちらりとディーヴァを見る。
みんな信用していないようだ。
そりゃそうだ、成長したおっさんダンテの様子を見る限りではどう考えても運に見放されているとしか思えない。
そしてディーヴァさえもそう思っているのだ。
「いいから見てろよ…おりゃっ」
手の中で転がしていたダイス。
ダンテはそれを叩きつける勢いでテーブルに投げつけた。
「てめえの馬鹿力でテーブルが壊れんだろーが!」
テーブルがへこんだかと思った。
思わず右手がうなりそうになったが、ディーヴァが代わりに出てくれたようだ。
スパーン!!
小気味いい音を立ててダンテの頭がはたかれた。
「こら、物は大事に扱ってっていつも言ってるでしょ」
「悪い悪い」
ダンテは痛そうにもせず、ディーヴァに叩かれたことすら嬉しそうにしている。
もしかしてドMなのかと勘違いするくらい、彼女が好きでたまらないようだった。
「ウチのダンテがごめんなさい」
「別にいいよ。
傷ついてないし…ねえ、ネロ?」
「ああ」
見ていて面白い掛け合いをする2人だ。
思わず逢夏とネロは小さく笑った。
どこまでいったか、ダイスはテーブルを転がり落ちて暖炉のそばの壁に当たり、そこでようやく止まった。
一番近い位置にいた逢夏が確認している。
「ったく、あんなとこまで飛ばしやがって…逢夏、何が出た?」
「3だよ」
確認した直後にコマが動いた。
3つ進んだマスに止まり、パカッと開いた口からくしゃくしゃの古ぼけた羊皮紙が飛び出て来た。
ディーヴァは目の前に吐き出されたそれを開いて確認する。
だが、ぐにゃぐにゃとした文字列は全く解読不能だった。
「…読めない」
「貸してみろ。
うわ、キタネー字だな、なんだこりゃ」
「ダンテに言われたくないと思うよ」
「逢夏、頼んだ」
「うん」
逢夏は自分がどんな言語も読めるということをダンテとディーヴァに話して聞かせた。
それが例え解読不能な崩れ字でも読める、ということも。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ずェんんぃンでぇ〜終ワりぃナくィ死ヲぉ、タのぅしメ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…えっと、『ぜんいんで終わりなき死を楽しめ』?」
逢夏が読み終えた途端に、みんなの視線がダンテに集まった。
「…どう考えたって『ハズレ』だよなぁ?
なんつーモン当ててんだこゴラァ、何が幸運の女神だ!
死神じゃねぇか!!」
そう言ってダンテにネロは掴みかかった。
右手で頭を、である。
ミシミシミシと、音を立ててダンテの頭がきしむ。
「うわ、ちょ、待て待て!脳みそ出ちまう!!ディーヴァ、逢夏なんとかし…「DIE!」ギャー!!」
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