ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ

□ダイススロー 11回目
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無事、ふたたび揃ってボードゲームを囲む4人。
特にディーヴァと逢夏がじぃっ…と睨むはもちろん

「悪魔さん。
 これ以上、卑怯なことしてあたし達を怒らせないでね?
 またあんなことしたら、今度はもっとひどいお仕置きをするから。
 次はタバスコの格上、デスソースにしてあげる。」
「私、結晶を食べちゃったダンテは許したけど、原因を作ったあなたは許してないよ。
 大切なもの、失くしたんだから、あんなオシオキなんて生温過ぎるよね?
 ……ゲームが終わったら、覚悟してて。」

睨まれたコマはさながら蛙。
睨む2人はまさに蛇。

「「ねぇ、分かった?」」
『ヮかッタ!
 だヵら、睨ムゥ、止メて!!』

合わさる声が念押すと冷や汗をタラタラと流したコマはその固い体をガックン、ガックンと無理くり折り曲げ頷く。
…すると

「では☆
 逢夏、ダイス振りまーす!!」
「「「切り替え早いな(ね)!?」」」

ダイスを持った手を上げ、笑顔で立ち上がり宣言する逢夏。
沈黙の後、僅か1秒の早業である。

「えぇ?
 あれは嫌いな人向けの顔だもの。
 こっちはちょっぴり元気を出して見せてるよそ行きの顔ね。」
「あ、…そうかよ。
 …因みにその顔っての?
 いくつあるんだ?」
「申し訳ございません。
 各種その場に応じてオーダーメイドしておりますので、取扱いの種類に関しましては把握できておりません。
 しかしながらこの程度は珍しくもなく、日本人のほとんどが標準装備しているかと…。」
「…なんでいきなり敬語なの?
 逢夏なりに空気を読んでみた結果なの?
 でもそれよりもこれが普通って、日本人こわいよぉ!
 日本、変なところだよぉ!」
「あのなぁ…、母国の評判落としてどうすんだよ。」

わざとらしいながらも輝く笑顔、言いかえれば営業スマイルを張り付けた逢夏を見、ディーヴァがダンテの後ろに隠れる。
ダンテはぎこちなく笑いながらディーヴァを受け止め、髪を撫でて宥め
ネロはネロで額に手を当て、深くため息をつき呆れている様子。
と、そこでダンテが肘でネロの横腹をつつく。

「なぁ…、お前の嫁。
 いっつもこんななのか?」
「いや、身内の欲目もあるけど、もっと大人しい…ってか
 周りからもよく言われるんだぜ?
 映画から出てきた様な日本女性、大和撫子だって。」
「じゃあなんで…。」
「なんで、って。
 私がこうでもしないとダンテ1人じゃギャグ要員が足りなくて、シリアス展開まっさかさま。
 そのまま人気アンケート急落下、打ち切り決定だからです。
 どりーむひろいん、つぶしきかぬです。
 こうしきひろいんのざ、めざすにはとおすぎ、かなわぬゆめです。」
「「さいですか。」」

余談ですが、皆様ご承知の通り、人気アンケートなんてものも打ち切りなんてものも存在するわけがありません。
なんてったって夢小説!しかも合同企画!

と話はあらぬ方向へと脱線したが、気を取り直して

「えいっ!」
『ぃたイッ!!』

放物線を描いたダイスは意図してなのかコマに激突。
痛みに跳びはねるコマがボードを叩く衝撃で元気よく数回クルクルと回ったダイスは『1』の目で止まった。

「また、1?
 このサイコロ、…心なしか1がよく出るよね。」
「おい、悪魔!
 てめぇ、ダイスに細工してねぇだろうな!?」

ダイスの目にがっくりとした感じで疑問に近い不満を思わず声にしてしまうディーヴァ。
そして、ディーヴァの声を継いだダンテが悪魔に抗議。
それには、何故かダイスが当たった頭の部分に大きなたんこぶをこさえたコマが一粒ホロリと涙をこぼしながらふるふると首を振る。

『だィス、こノゲェぃムぉ中デ、ィち番ヌぉ良心!』

「6面ダイスの癖して目が1〜3しかない時点で本当に一番の良心か疑問が残るけどな。」
『ぅグ!?
 ソれは、さテォき!
 新シぃ、命ルェい!!』

ネロの厳しいお言葉に、悪魔は少しだけ言葉に詰まる。
が、すぐに持ち直してコマの口から羊皮紙を吐きだした。

相変わらず紙はくしゃくしゃ、文字はよれよれ。
そこには

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

這ぃヨるゾンびぃヵら、逃ぐェぅるぅる〜!
たダァしぃ!ぞンぅビ、666体kiるぐァ条ヶん!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「這い寄るゾンビから逃げるるる〜!
 ただし!ゾンビ、666体killが条件!」

と書いてあった。
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