ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ

□ダイススロー 14回目
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悪魔がゲームのソフト?とやらを買いに行っている間、逢夏とディーヴァはお互いのパートナーの体をマッサージしていた。
先ほどの重装備は半魔の体にもきつかったようだ。

「ここかな、ネロ。うんしょっ」
「あ゙〜そこそこ。
 そこがつらいんだよ。ありがとな、逢夏」
「ネロ、ジジくせえよ。
 ディーヴァ、やりづらいならオレの上に跨いで座っちゃっていいぜ?」
「いいの?…なら遠慮なく。
 揉みやすいし、よかった!」

むにっ。
ディーヴァのお尻の肉がダンテの背中に当たる。
服の上からでもわかるその大事な最奥の造形に、ダンテはいやらしい企むような笑顔を浮かべた。

「色んな意味で極楽だぜ!」
「そう?なら良かった!
 ダンテ、いつも守ってくれてありがとう」

にぱっ!
と花の咲くような笑顔を浮かべるディーヴァはさておき、ネロと逢夏はダンテの笑みと思惑について気がついた。
突如無言で2人の拳がうなる。
逢夏はまたまたスリッパだったが。

「あだーっ!!」
「きゃっ、ダンテ!
 何してるのネロ、逢夏っ!」

ダンテがきりもみ回転してふっとんだ。

「今やっとかないと、こいつ何するかわかったもんじゃねぇぞっ!」
「あのままだと、ディーヴァちゃんが危なかったの!」
「う〜ん、そんな気はしなかったけど…
 でも、わかった」

自分はただダンテと会話していただけに過ぎないと思っていたのだが、2人のすごい剣幕にディーヴァは押されて肯定した。
いつだってダンテよりは2人が正しい。

「てめーらいい加減にしろーっ!」
「いいからてめぇこそ、ダイス振っておけよ」

立ち上がるダンテに向けてダイスを投げて寄越すネロ。
ダンテは顔の目の前でキャッチして受け止めると舌打ちした。

「ったく…わかったよ。
 たまにはゆっくり癒しを補給させろよな…」
「私、さっきのは癒しに入らないと思う」

ダイスをポイと放り投げる。
ダンテが投げたダイスはコロコロと転がり、逢夏の足元へ落ち着いた。

「また『1』だ…いつも1ばっかり!」
「ダンテ、たまには3だしてよー」

がっかり、うんざりな感情れぞれの気持ちを表す2人に、ダンテは困ったように頭をかいた。

「そんなこと言ったってなぁ…?」
「まあ、マスの内容に期待しようぜ」

ネロは肩を叩いて慰めた。



***************



そしてその数分後に、悪魔は帰ってきた。

『タだぃマァ!』

おかえりとは意地でも言わない。

それどころか、ダンテは口を尖らせ『人の背後からいきなりあらわれんな!』と文句を垂れた。
全く気にしない悪魔は、戦利品を掲げて見せる。

『ジやじャあぁアあ゛ン!
限テェセんちゃクとキュてぇン、こンぷりィとせットぉ!!』

悪魔が掲げるはゲームソフトについてくる、予約限定特典品だった。
なぜか知っていたネロと逢夏が驚く。

「な!そ、それはまごうことなき、フル可動アクションフィギュアに、
 新モンスターであるゴ「言っちゃらめぇぇぇぇ!」のケースとロングストラップ!!」
「もう!ネロは言っちゃだめだってば」
「わ、悪い…」
「でもさ、何でそれを悪魔さんが持ってるの?
 発売してちょっと経つよね」

ふんぞり返って悪魔がいう。

『ぉデ、DM●ヵンけ〜シャッて、ヵぷk「会社名、ダメ、ゼッタイ!!」ニ、言ッタ!』
「うわ、こいつキタネー手を使いやがったぞ!」
「ていうか、伏せ字にしてもまるわかりだから、アウトだから!」

「逢夏もネロもあたし達にわかるように話してくれると嬉しいんだけどね…」
「ディーヴァ、世の中には聞かないでおいたほうが幸せなことも沢山あるぞ。
 触らぬに悪魔に地獄なし、ってな」
「それを言うなら『触らぬ神に祟りなし』だけどね」


DM●だの、カプ…なんとかだの、ダンテとディーヴァにはまったくよくわからないことを話す2人と一匹。
ダンテ達は頭の上に?マークを浮かべて話が終わるのを待った。
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