ようこそ、悪魔の悪魔による悪魔の為の悪魔的なボードゲームの世界へ

□ダイススロー 16回目
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人知れず憤死している悪魔はさておき、4人は罰ゲームマス、食事…といえなくもないマス、ティータイムを経てのゴ…失敬!黒い悪魔駆除のマスを終えたところで、いつもより好調といえば好調な内容をこなしていた。

残りのマスも10くらい。
この調子で行けばボードゲームも終わりが早いはずだ。
つまり、もうお別れもすぐそこ。
悪魔のゲームは嫌だが、この出会いが終わってしまうのは忍びない。

ディーヴァは寂しい思いでいっぱいだった。
しょぼんとした表情でダイスを握りしめたままのディーヴァに、3人が怪訝な顔をする。

「どした、ディーヴァ」
「(´・ω・`)な顔になってるよ」
「まさか振ると嫌なマスに当たる予感でもするのか?」
「んーん、もうすぐ終わりなのかなって思ったらちょっと悲しいなって思ったの。
 もっと逢夏やネロとの想い出がほしいなーなぁんて」

ちょっと欲張りだったね、ごめん。
そう続けるディーヴァを、きゅんとして抱きしめた逢夏。

「欲張りなんかじゃないよ!想い出作ろっ!
 だからもっと私に甘えていいのよディーヴァちゃんんん!!
 私、ディーヴァちゃんが相手なら百合でもなんでもばっちこいよ!」
「百合!?
 おい、逢夏それはちょい危ない発言だ!」
「百合ってなんだ?」
「さぁ、あたしも知らない。何だろう…」

逢夏が少々危ない発言をしたところで、ボードゲームに向き直る。
そこには悪魔のコマがいつもよりニッコニコな笑顔で、ディーヴァがダイスを振るのを今か今かと待っていた。

「ど、どうしたの悪魔さん」
「前よりもやけに笑ってるよね…」
「てめぇまたなんか企んでるんじゃねーだろーな」
「…気持ち悪っ!」
『おデ、ぃツモまぶシィ笑ヵ゛ォ!
 ナンも企ンデぬヮい!』

ぺかー!!
フラッシュを使ったかのような、悪魔に似つかわしくないまぶしい笑顔だ。
この笑顔の裏に『リア充爆発しろリア充爆発しろ…』という呪いの呪文が繰り返されているのを4人はしらなかった。

ディーヴァが不思議そうに首をかしげながらダイスを転がす。
ダイスはころころと目の前を転がり、数回転したところでぴたりと止まった。

確認した目はまたまた『1』。
1〜3までのダイスだから仕方ないことだが、1ばっかり…と4人がうんざりしたところで、同じく目を確認した悪魔のコマが1つ進む。

数えればゴールまで残り10マス。
今回のマスは果たして…?
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